車の足回りから聞き慣れない音が聞こえてきた場合は、故障しているか不安になりますよね。
車の異音は車の不具合のサインです。場合によっては深刻な故障が起きているケースもあるため、聞きなれない音がしたら細心の注意を払う必要があります。
異音を放置すると、最悪走行ができなくなるケースもあるので、早急に対処することが大切です。
実は異音にはパターンがあり、種類によって原因がわかります。
当記事では、車の足回りから聞こえる異音の種類を9つに分類しました。
異音のパターンに応じた原因や修理費用を徹底解説します。
車の足回りから聞き慣れない音がして気になっている方は、ぜひお読みください。
「アクセルを踏んだ時に異音がするんだけど…」という方はアクセルを踏むと異音!故障の原因を5つのタイプ別に徹底解説の記事をご覧ください。
足回りから聞こえる異音によって車の状態がわかる
足回りから聞こえてくる主な異音と原因、放置した際に起こること、修理や交換にかかる費用について紹介します。
心当たりのある異音があった場合は、直ちに修理や交換などの適切な対処をとるようにしましょう。
異音の種類と故障の疑いがある箇所、修理・交換費用は以下の表の通りです。
異音 | 故障個所 | 費用 |
キュッキュッ | サスペンション | 10万〜20万円程度 |
ゴトゴト、カタカタ | ドライブシャフトブーツ | 1個10,000円程度 |
コトコト (ハンドルを切る際) |
タイロッドエンド | 10,000〜25,000円程度 |
コトコト、ギシギシ (走行中) |
スタビライザーのゴムブッシュ | 1,000〜20,000円程度 |
キュルキュル | クラッチ | 50,000〜15万円程度 |
カリカリ、カンカン、キンキン (金属音) |
エンジン | 1,000〜100万円程度 |
キーキー | ブレーキパッド | 13,000〜18,000円程度 |
シャリシャリ | ブレーキパッド | 13,000〜18,000円程度 |
ガタガタ、ギシギシ、コンコン | アッパーマウント | 1カ所14,000〜20,000円程度 |
それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
「キュッキュッ」
「キュッキュッ」という音が鳴っている場合、サスペンションが故障している可能性があります。
サスペンションとは、車体の底とタイヤを結びつけているパーツのことです。
サスペンションの故障を放置すると、路面からの力を吸収してコントロールする「減衰力」が弱まります。
すると、車が不安定になったり、振動を感じやすくなったりします。
サスペンションの交換には、10万〜20万円程度の費用がかかります。
「ゴトゴト、カタカタ」
「ゴトゴト、カタカタ」という音が聞こえる場合、ドライブシャフトブーツが故障している可能性があります。
ドライブシャフトブーツは、ミッションを通してエンジンの回転をタイヤに伝達しているパーツです。
エンジンの動力に直接関係しているため、ドライブシャフトブーツの故障を放置すると、最悪走行ができなくなる可能性もあります。
ドライブシャフトブーツは、1個10,000円前後で交換できます。
(ハンドルを切った際に聞こえる)「コトコト」
ハンドルを操作するたびに「コトコト」という音が聞こえる場合、タイロッドエンドに不具合が起きている可能性があります。
タイロッドエンドとは、「ハンドルを操作すると車が動く」という車の仕組みを支えているパーツのことです。
タイロッドエンドに不具合が起きている場合、足回りから異音が鳴るだけでなく、以下のような症状が発生するようになります。
- ハンドルを操作しても、車が思った方向に行かなくなる
- ハンドルと車体に遅れが発生する
タイロッドエンドの不具合を放置し続けると、ハンドル操作に悪影響を及ぼし、車を直進させるのが難しくなってきます。
さらに最悪の場合、ハンドルが完全にコントロールできなくなる可能性もあります。
車が操作不能となれば大きな事故を招く危険性が高まるため、タイロッドエンドに不具合が見られた場合は、必ず修理や部品交換を行うようにしてください。
交換はプロに依頼することになるため、5,000〜15,000円程度の工賃が発生します。
また、タイロッドエンドのパーツ代は5,000〜10,000円ほどが相場となっています。
工賃とパーツ代を足し合わせて、合計で10,000〜25,000円程度の費用がかかることになるでしょう。
なお外車の場合、さらに費用が高くなるケースもあります。外車は、パーツの価格が高めに設定されているためです。
(走っている間に聞こえる)「コトコト、ギシギシ」
車を走らせている間に「コトコト、ギシギシ」といったきしみ音が聞こえる場合、その音はスタビライザーのゴムブッシュから出ている可能性があります。
スタビライザーとは、車体の傾きを抑制することで走りを安定させてくれるパーツのことです。
たとえば、カーブを曲がったり段差を乗り越えたりするたびに大きくぐらつくような車があった場合、乗り心地は快適とは言えません。
そうしたことが起こらないよう、車体の揺れを抑え、安定した快適な走行を実現させてくれるのがスタビライザーです。
外部からの力を常に受けているスタビライザーには、大きな負荷がかかっています。
スタビライザーが負荷に耐えきれなくなると、異音が発生するようになります。
そしてゴムブッシュとは、スタビライザーの連結部分に使用されているゴムでできた緩衝材のことです。
スタビライザーの近くには、路面からの振動を吸収するサスペンションがあります。
スタビライザーとサスペンションを連結させることで、それぞれを効果的に働かせているのがゴムブッシュです。
先ほど、スタビライザーには大きな負担がかかっていると述べました。
しかし正確には、スタビライザー以上にゴムブッシュの方が大きな負荷を受けていると言えます。
大きな力を受け続けたゴムブッシュは、だんだんと形が変わっていきます。
するとスタビライザーとゴムブッシュの間に、あるはずのない隙間ができてしまいます。
こうした隙間ができることによって、スタビライザーが本来とは違う動きをしてしまい、異音が鳴ってしまうのです。
スタビライザーのゴムブッシュに起きている不具合を放置すると、路面からの衝撃を抑制する働きが弱まってしまいます。
放置すればするほどに乗り心地がどんどん悪くなっていくため、早めに交換を行いましょう。
スタビライザーのゴムブッシュを交換する場合にかかる費用は、1,000〜20,000円程度です。
ディーラーや整備工場に依頼した場合は、工賃を含めて15,000円〜20,000円程度で交換できます。
対して、自分で行う場合は1,000円前後で済ませられるケースもあります。
なお車に詳しくない方が自分で交換を行おうとすると、より大きな故障を招いたり、交換の不備から事故を引き起こしたりする可能性もあります。
自信のない方は、プロに交換を依頼するようにしましょう。
「キュルキュル」
足回りから「キュルキュル」という音が鳴っている場合、クラッチの滑りが起きている可能性があります。
クラッチとは、動力伝達装置のことです。
車の発進や停止、変速を行った際に、エンジンの力をトランスミッションに伝達しています。
クラッチが滑ると、以下のような不具合が起きることがあります。
- エンジンの回転数が急に上がる
- アクセルを踏んで加速する際、エンジンの回転数だけが上がっていき、速度は上がらなくなる
- ギアが繋がりにくくなる
クラッチの滑りを放置すると、クラッチが焼き付いて走行ができなくなってしまう可能性があります。
したがってクラッチの滑りがある場合は、すぐに修理または交換を行いましょう。
クラッチの修理や交換は、整備工場やディーラーに行くことで依頼できます。
クラッチの交換には、50,000〜15万円ほどかかります。
金属音
「カリカリ」「カンカン」「キンキン」という金属音が聞こえてきた場合、車がオーバーヒートしている可能性があります。
「カリカリ」は初期症状の際に聞こえる異音ですが、「カンカン」「キンキン」という高音が聞こえた場合は、症状が末期に近づいている可能性があります。
すぐに安全な場所に停車し、ロードサービスなどの救援を呼ぶようにしてください。
オーバーヒートした状態で走り続けると、エンジンが焼き付いていき、最悪の場合エンジンが破壊される可能性があります。
エンジンが壊れれば、突然車が止まって命に関わる事故を引き起こしたり、修理できないレベルにまで車が壊れたりすることにつながります。
オーバーヒートは早めの対処が肝心となるため、気になる金属音が聞こえたらすぐに対処するようにしましょう。
修理する際にかかる費用は、修理を行うパーツや修理内容によっても異なります。
冷却水の補充やエンジンオイルの交換といった作業だけで完了するのであれば、1,000〜4,000円程度で済むケースもあります。
一方でウォーターポンプの交換やラジエーター部品の交換が必要となる場合、20,000〜70,000円という高めの費用が発生するケースもあります。
オーバーヒートの度合いが末期まで進んでしまった場合、エンジンそのものを交換する必要が出てきます。
エンジンの交換にかかる費用は、20万〜100万円と非常に高額になります。
経済的負担を抑えるためにも、オーバーヒートが起こらないよう、定期的にエンジンルームの点検をしておくことをおすすめします。
オーバーヒート完全対処マニュアル!進行度や、かかる費用も解説
「キーキー」
車の足回りから「キーキー」という音が聞こえる場合、ブレーキパッドの残量が足りていない可能性があります。
ブレーキパッドとは、ブレーキの一部分のことです。
ブレーキが踏まれた際、円盤状のパーツを挟むことで車を減速させ、停車させるという役割を持っています。
ブレーキパッドは、使用するたびにどんどんすり減っていくパーツです。
キーキーという異音が聞こえるということは、ブレーキパッドが摩耗して残量が少なくなっている可能性があります。
残り少なくなったブレーキパッドを放置して走行し続けると、ブレーキが効きにくくなり、ブレーキを踏んでから車が止まるまでの距離が伸びていきます。
ブレーキがうまく効かなくなると、事故を起こすリスクが上昇します。安全のため、早めに交換を行うようにしてください。
ブレーキパッドの交換にかかる費用は、13,000〜18,000円ほどです。
「シャリシャリ」
ブレーキを踏んだ際に「シャリシャリ」という音が鳴った場合、ブレーキに問題がある可能性があります。
ブレーキには、ブレーキパッドがすり減っていることを知らせるためのパッドセンサーが搭載されています。
パッドセンサーがブレーキの回転部分に当たると、シャリシャリという異音を発するようになります。
異音が聞こえるということは、ブレーキパッドの残量が残り少ないということです。
すり減ったブレーキパッドを放置すると事故を起こす可能性があるため、すぐに交換を行いましょう。
ブレーキパッドの不調を放置したことで起こる症状や交換費用については、上記の「キーキー」の項目を参考にしてください。
「ガタガタ、ギシギシ、コンコン」
「ガタガタ、ギシギシ、コンコン」という異音が聞こえた場合、アッパーマウントが劣化している可能性があります。
アッパーマウントは車のサスペンション部品の一部であり、サスペンションと車体を固定する役割を持っています。
アッパーマウントの劣化を放置して走り続けると、サスペンションがガタついてきます。
すると車がまっすぐ走らなくなったり、走行できなくなったりする可能性があります。
アッパーマウントの交換は、1カ所あたり14,000〜20,000円ほどで行えます。
内訳としては、パーツ代が7,000〜10,000円ほど、工賃が7,000〜10,000円ほどとなります。
外車の場合はパーツ代が高く、10,000円を超えるケースもあるため注意しましょう。
なお、車種やサスペンションの構造、交換する部品など、さまざまな要素によって値段は前後します。
片方だけ交換を行うとバランスに問題が生じるため、原則2カ所または4カ所交換することになります。
取り返しがつかない段階になる前に修理を!
車から聞き慣れない音が聞こえてきた場合は、取り返しがつかない段階になる前に必ず修理を行うようにしてください。
稀に、修理を行っていないにも関わらず異音がしなくなるケースがあります。
しかしそれは、決して直ったというわけではありません。
むしろ音がしなくなったということは、最終警告ラインを過ぎたというサインだと言えます。
音が鳴らなくなった場合手遅れになっている可能性もあるため、異音が鳴っている段階で早めに対処するようにしてください。
まとめ
最後に内容をおさらいします。
車の足回りから異音が聞こえてきた場合、パーツの故障やオーバーヒートなどさまざまな不具合が起きている可能性があります。
異音を放置し続けると、重大な事故につながったり、車が大きく故障したりすることにも繋がりかねません。
異音の種類をしっかりと聞き分け、適切な対処を行うようにしてください。
もし、サスペンションや重度なエンジン故障など、修理費用が高くなりそうな場合は車を手放すのも選択肢の1つです。
車の売却先としては、ディーラーや中古車買取業者が一般的です。
ただし故障が重度な場合、ディーラーや中古買取業者に売っても販路の兼ね合いから良い値段はつけてもらえないケースがほとんどです。
もし、納得する値段をつけてもらえなかった場合は、専門の事故車買取業者に売却することをおすすめします。
事故車買取業者に売れば、中古買取業者では買取が期待できない車であっても、値段をつけてもらえる可能性が高まるためです。
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