「水没車を買ってしまった…契約は取り消せる?」
「業者が取り消しに応じてくれない…」
以上のようにお悩みではありませんか?
水没車とは、豪雨や洪水などによって室内フロア以上に浸水した車、もしくはその跡によって価値が下がることが予想される車のこと。
水没車は故障しやすく安全にも支障をきたしやすいため、買ってしまうと「どうしたらよいのか」と焦ってしまいますよね。
高いお金を支払って買ったのに大損してしまったなんて事も。
実は、水没車だと知らずに買ったのであれば契約を取り消すことが可能です。
当記事では、水没車の契約を取り消せる根拠や、取り消せないと言われた時の対処法などについて解説。記事を読むことで、水没車を買ってしまった際の正しい対処法がわかります。
水没車だと知らずに買ってしまった場合は契約を取り消せる!
結論から言うと水没車・冠水車だと知らずに契約した場合、契約を取り消すことが可能です。
一般社団法人である自動車公正取引協議会は、2020年12月4日、「冠水車に関するトラブル増加」のお知らせを発行しています。
ここでは「冠水車と知らずに契約した場合は取り消しを求められる」と取り決めがなされているのです。
しかし以前は、冠水車の契約に関してこのような明確な取り決めがありませんでした。
つまり、購入した後から冠水車だと判明しても、販売店には契約を取り消す義務がなかったということです。
さらにもともと冠水車は、車の骨格の修復・修理をした「修復歴車」には当てはまらないため、告知義務がありません。
したがって冠水車を見分けることができず、知らずに購入してしまう人も多くいます。
上記のような事情から、「買った後に車が冠水車だとわかったのでキャンセルを依頼した。
しかしキャンセルに応じるのは販売店の義務ではないため、応じてもらえず泣き寝入りするしかなかった」といったトラブルも数多くありました。
こうしたことが理由で水没車に関するトラブルが増えたため、以上のような決まりが定められました。
そもそも中古車販売において、水没車であるか否かについて虚偽の表示を行うのは「不当表示」となりますし、水没車は災害車に該当され、車両保険の対象になる車です。
水没したことのある車は、車としての価値が大きく下がることが予想される上、安全上にも支障をきたすリスクが高いといえます。
具体的には、以下のようなリスクが考えられるでしょう。
- 車内のパーツが水に浸かって故障しており、安全な運転に支障をきたす可能性がある
- 汚水に浸かったことで、車内にカビが増えて不衛生な状態になっている可能性がある
よって、販売側が以下のようなことを行うのは違反となります。
- 水没車であるにもかかわらず、「水没車ではない」と嘘の説明を行ったり表示したりする
- 水没車である旨を説明しない、表示しない
上記を行った場合、不当表示に該当し、公正競争規約に反することに。
さらに、景品表示法の観点でも問題となります。
景品表示法とは、商品説明に消費者を欺くような嘘や大袈裟な内容を含むことを禁止する法律のこと。
水没車であることを書かなかったり、「水没車ではない」と偽ったりすることも消費者を欺く内容に当たります。
契約の取り消しができることは法的に根拠がある
消費者契約法や民法には、以下のような内容が記載されています。
表示や説明がなかったことで消費者が「冠水車」ではないと誤認をして契約を結んだ場合、当該契約の取消しを求めることができる。(消費者契約法4条)
「冠水車」である旨の表示・説明がなかったため「冠水車」であることを知らずに契約した消費者は、錯誤による契約の取消しを求めることができる。(民法95条)
「冠水車」であることを販売店が故意に隠していたときは、詐欺による契約の取消しを求めることができる。(民法96条)
上記の内容をよりわかりやすくまとめると、
- 水没車だと説明されなかったことで消費者が水没車ではないと誤解、または水没車だと知らずに契約した場合、契約を取り消せる
- 水没車である事実を販売店がわざと隠していた場合、詐欺として契約を取り消せる
以上の通りとなります。
契約の取り消しが行えることには法的に根拠があるため、自信を持って業者に取り消しの要請を行いましょう。
こんな時はどうする?水没車に関する2つのケース
水没車だと知らずに購入した場合は契約を取り消せるとわかったところで、続いては以下のケースについて見ていきましょう。
- 販売店が水没車だと知らなかったら?
- 業者が払い戻しに応じてくれなかったら?
以上に該当する場合も取り消しが行えるのか、詳しく解説していきます。
販売店が水没車だと知らなかったら?
先ほどの項目では、「販売店が水没車だと知りながらその事実を言わなかったり、嘘をついたりした場合は契約を取り消せる」と解説しました。
では、そもそも販売店が水没車である事実を知らなかったら契約を取り消せないのでしょうか?
結論から言うと、販売店が知っていたかどうかは取り消しの可否に関係がありません。
たとえ知らなかったとしても、水没車だと判明した場合は契約を取り消せます。
販売店は車の不具合などをチェックするプロですが、とはいえ水没車を見抜くのは簡単ではありません。
車の状態によっては、販売店が水没車だと気付けずに車を購入・販売したケースもあるでしょう。
しかしそのような場合であっても、契約は問題なく取り消せるためご安心ください。
業者が払い戻しに応じてくれなかったら?
水没車の契約は取り消せると決まっていますが、業者によっては簡単に取り消してくれないことも。
特に虚偽の表示などで消費者を騙そうとする悪徳業者の場合、簡単には払い戻しに応じてくれないケースも多いでしょう。
もし払い戻しに応じてくれない場合は、法律に違反したことに問題となるため、弁護士に相談するようにしましょう。
水没車は災害車ですので「契約不適合責任」を追及し、損害賠償請求や、契約の解除を行ってもらうことができます。
法律的な内容になりますので、自分一人で解決するのが困難なこともあります。
泣き寝入りせず、弁護士の力を借りるようにしましょう。
水没車は安全面に問題が!乗り続けるのは危険な場合も
上記では、水没車の契約取り消しについて解説してきました。
最後に、水没車のリスクについて改めて知っておきましょう。
買ってしまった車が水没車だと気付いた場合、「契約を取り消すのは面倒だから」とそのまま使い続けてしまう方もいるかもしれません。
しかし、しっかりと修理されていない水没車での走行は避けるべきだと言えます。
というのも、水没車は安全性に支障をきたしている可能性が高く尚且つ故障しやすいためです。
問題なくエンジンがかかったとしても、中では腐食が進行している可能性があります。
腐食が進めば、時間が経つにつれて車のさまざまな場所の故障が積み重なるリスクもあるでしょう。
マフラー部分より上まで浸水した車は、とりわけ危険度が高いと言えます。
マフラーまで沈むと、エンジンまで水に触れて故障している可能性があるためです。
エンジンが壊れた場合、載せ替えに最低でも50万円程度かかることになるでしょう。
修理に大きな費用がかかるとなれば、そもそも安価な中古車を買った意味がなくなってしまいます。
走行に影響を及ぼすだけでなく、衛生面でもリスクがあります。
汚水に浸されたことで、カビや細菌が繁殖し、車内が不衛生な状態となっているケースも考えられます。
必ず業者に取り消しを求め、応じてくれないようであれば弁護士に相談しましょう。
まとめ
最後に内容をおさらいします。
車を水没車だと知らずに購入した場合、契約の取り消しを求めることが可能だと法律で定められています。
販売店が水没車だと知らなかったとしても、取り消せる事実は変わりません。
しっかりと修理されていない水没車は、走行する上での安全面や衛生面、故障のリスクなど、さまざまな点でデメリットを抱えています。
そのような場合はそのまま乗り続けることはせず、販売店に契約の取り消しを求めるようにしましょう。
相手が取り消しに応じない場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
とはいえ、弁護士に相談してしかるべき対応を行ってもらうのには、ある程度コストや時間がかかります。
弁護士を頼る方法は避けたいという方は、事故車買取をしている当サイト「タウ」への売却を検討してみてください。
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