この記事では、不慮の事故で被害者が加害者に請求できる損害賠償についてご紹介します。
車は便利なものですが、予期せぬ事故を起こす可能性がある乗り物であることも理解したほうが良いでしょう。
事故の状況でも異なりますが、対人対物休車損害など賠償の種類を知っておくだけでも、万が一のときに冷静に対処できます。
金銭面も保証してもらえるので、この記事で事故時に請求できる損害賠償の内容を把握しておきましょう。
交通事故被害者が請求できる損害賠償
まず、交通事故の被害者が加害者に対して損害賠償を請求するとき、どのようなものが対象になるのか知っておきましょう。
自動車保険などの資料を見ると対人対物無制限といった項目がありますが、対象となるのは大きく分けて「財産的損害」と「精神的損害」の2種類です。
このうち財産的損害は、さらに「積極損害」と「消極損害」という項目に分類されます。
「積極損害」は、交通事故の被害者及び被害者の所有物が対象で、主に被害者のほうが実際に支払う費用にあたる部分。
具体的な項目は以下です。
- 治療費
- 車両修理費
- 付添看護費用
- 入院雑費
- 通院交通費
- 器具装具の費用
- 自宅リフォーム費用
- 介護費用
- 葬儀費用
- 損害賠償手続きにかかる費用
- 弁護士費用
「消極損害」とは、交通事故が原因で入る予定だった収入を失ったときの損害です。
簡単に説明すると、もし事故に遭わないで通常どおり働いた場合に得られる収入のこと。
具体的な項目としては、休業補償などがあります。
損害賠償請求で必要な書類
事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求を行う際、必要な書類について解説します。
対人(人身事故)対物(物損事故)によって必要書類が異なりますので、項目ごとに確認しましょう。
まずは、対人に関連する人身事故の場合です。
人身事故の場合は、傷害死亡によって提出書類が異なります。
傷害死亡事故の共通書類一覧
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診療報酬明細書
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 確定申告書の控え
- 各種領収書
傷害事故の場合(共通書類に追加する書類)
- 診断書
- 後遺障害診断書
- 休業損害証明書
万が一交通事故で被害者が死亡した場合には、以下の書類が必要です。
損害賠償を行うのは被害者の遺族となるため、遺族であることの証明書が必要になります。
死亡事故の場合(共通書類に追加する書類)
- 死亡診断書、死体検案書
- 除籍謄本
- 戸籍謄本
物損事故の場合共通書類一覧
続いて、物損事故の場合に必要な書類は次のとおりです。
- 交通事故証明書
- 修理の見積書
- 事故車両の写真
交通事故が発生すると警察への通報が必要。
その場で警察による事故状況の確認検分が行われ、調書が作成されます。
その調書をもとに発行されるのが、「交通事故証明書」です。
交通事故証明書は自動車安全運転センターで発行できます。
交通事故の損害賠償に必要な書類なので、失くさないように大切に保管しておきましょう。
修理の見積書は、車両の整備工場やディーラーなどで作成してもらえます。
事故車の破損部分を撮影した写真とともに修理の見積書を加害者側の保険会社に送付し、損害賠償の請求を行います。
補足ですが、車の所有者には自賠責保険への加入が義務付けられています。
しかし自賠責保険の補償は対人のみで、物損事故に関しては適用されません。
万が一加害者が任意保険に加入しておらず自賠責保険のみだと、加害者本人に請求するしか手段がありません。
この場合、加害者側に損害賠償を支払う能力がないおそれもあります。
買替差額費と車両の時価額とは
交通事故に遭遇すると、車の破損および傷などで修復が必要になることがあります。
最悪の場合、車が全損になってしまう可能性さえあるでしょう。
そんなときに保険会社との示談交渉で話にあがるのが、「買替差額費」と「車両の時価額」です。
買替差額とは事故で破損する以前の車両の価格と、事故に遭ったあとの価格の差額になります。基本的に、買替差額は下記の公式で算出できます。
『買替差額=事故当時における車両の時価額-事故車両の売却代金』
交通事故で車両自体が破損した場合は、修理しても車の記録簿に修復歴(事故歴)が残ります。そして一般的に、修復歴車は中古車市場において大幅に価値が下がります。
つまり、事故に遭った車を修理せずに売却をしたいと思っても、査定額が低くて損をするかもしれません。
また、保険会社は買取差額に当たる部分の支払いをなかなか認めてくれません。
事故が発生する前の車の時価額の査定においては、保険会社のルールが存在します。
保険会社が参考時価額を定める際に基準とするのが、「レッドブック」です。
これには下取卸売小売の中古車価格が掲載されています。
その基準のなかで保険会社が参考にするには小売価格です。
時価額の査定には、当然走行距離や車検の残りも加味されます。
しかしあくまでも基準はレッドブックに記載されている小売価格。
その基準は基本的に低めに記載されている上に、車種は現時点から10年未満のもの(軽自動車は7年未満)。
それ以前の車は新車価格の10%で算出されてしまいます。
買取差額の交渉は、加害者の保険会社と示談交渉でももっとも時間がかかる項目です。
事前に頭に入れておきましょう。
休車損害の概要と成立させるポイントとは
事故に遭ったときに請求できる損害賠償の種類に、「休車損害」というものがあります。
これは営業用の車両が対象となるもの。
修理や買替期間中に予定通りの収益が得られないときに適用されます。
例えば、個人タクシーへ追突事故を起こしてしまった場合。
車両を修理する期間、タクシー側は通常通りの収入が得られなくなります。
その部分を休車損害として請求できるのです。
休車損害は、運送会社のトラック、バス、タクシーなどの商用ナンバー車両が対象です。
一般車両同士の事故に関しては、「代車損害」が適用対象になります。
休車損害には下記の条件が必須になりますので、事前に確認しておきましょう。
- 事故後も事故車両の使用が業務に必要であること
- 予備車両(遊休車両)が存在しないこと
被害者がこの条件を満たせば、加害者に損害賠償請求を行うことができます。
事故に遭ったときに請求できる損害賠償とは?事故車の修理代や売却方法
レッカー費用を請求するときの注意点
事故車が自走できない場合、レッカー移動が必要になります。
そのレッカー費用も保険会社に請求できますが、場合によって全額は支払われないケースもあります。
レッカーにかかる費用は?
レッカー移動にかかる費用は、一般的に1万~3万円程度が相場です。
業者のサービス内容や車の状態、場所、時間帯などでも費用は異なります。
しかし加入する保険会社へ依頼すると、保険会社が指定した修理工場までの利用は無料であることがほとんどです。
レッカー移動の無料範囲を距離ではなく金額で設定する保険会社もあります。
加入前にレッカー費用の項目もあわせてチェックしておきましょう。
レッカー費用が保険では補償されないケースとは、
「遠方で事故に遭い、自宅まで事故車両を運んでもらう」といった場合です。
保険会社の補償額限度を超えるほどのレッカー代金がかかると、超過分は自己負担となることもあるので注意しましょう。
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