今回は冬型事故の主な原因や落雪被害に遭ったときの対処法を解説します。
事故車の修理代金の目安もご紹介しますので参考にしてください。
2月は1年のうちでもっとも気温が下がる時期。
地域によっては朝晩の気温が氷点下となり、積雪や道路の凍結がみられます。
スリップ事故など冬特有の事故が頻発し、積雪の多い地域では屋根から落雪により車が損傷を受けることも。
また雪に慣れていない地域では、冬の備えが万全でないことから事故が多発します。
雪や凍結による事故の原因
積雪やアイスバーンとよばれる道路の凍結により事故が起こる原因は、2つあります。
原因1
まずひとつ目は、積雪による事故です。
降りはじめの雪は柔らかく、雪が数十cm積もった道路ではハンドルがとられたりタイヤが空回りしたりして身動きがとれなくなります。
またタイヤの溝に雪や氷が入り込むことでグリップ力がなくなり、スリップ事故を招く危険性が高くなります。
原因2
ふたつ目は路面の凍結による事故です。
新雪が車で踏み固められた路面や、雪が解けはじめたあとに氷点下となり路面が凍結した状況では、雪や氷とタイヤのあいだに水膜が生じる「ハイドロプレーニング現象」が起こります。
この現象下では車は氷の上を走っているのと同じ状態。
以下ではより具体的に、冬に起こる事故の例を見ていきましょう。
路面状況の認識不足によるスリップ事故
車を運転するにあたりもっとも重要なことは、路面状況を把握すること。
とくに冬の路面は、濡れているのか、凍結しているのかを車を運転しながら把握することは難しく、凍結に気づかずスピードを出しすぎることも少なくありません。
凍結していない路面を走っているつもりでブレーキを踏み、思い通りに車を止められずスリップ事故を引き起こす危険性があります。
積雪による視界悪化が引き起こす事故
路面の積雪によりセンターラインや道路脇の側溝、路肩、道路標識などが見えづらくなり、事故を引き起こすこともあります。
センターラインを割ってしまい対向車と正面衝突したり、路肩に車が落ちてしまったりする事故は、毎年全国各地で起こります。
走り慣れていない道はとくに注意が必要でしょう。
急ブレーキによる事故
積雪がある道路では、前を走る車が思わぬ場所でブレーキを踏むことも。
前方車のブレーキに驚き急ブレーキをかけると、タイヤロックされた状態となりブレーキが効かず、追突事故につながります。
雪や凍結時のために備えておくべき装備品リスト
積雪やアイスバーンによって引き起こされる冬型事故は、「危ない!」と思ったときにはすでに車の制御が効かず、事故につながるリスクが非常に高いです。
また事故に遭わなくても、車が雪にはまり身動きがとれなくなることもあります。
このような状況に陥った場合、車のなかに何もないようでは自分で対処できません。
冬場は万が一に備えて、以下のものを用意しておくと安心です。
- タイヤチェーン
- 除雪用ブラシ
- スコップ
- 軍手、長靴、防寒具
- 新聞紙
- ガムテープ
- ドライバーなどの工具
- けん引用ロープ
- ブースターケーブル
タイヤチェーンや除雪用ブラシ、スコップ、軍手などは準備がカンタンにできるので、ぜひ車に備えておきましょう。
新聞紙は車のタイヤが雪にはまり空回りしているときに使えます。
雪とタイヤにかますように敷くことで、タイヤの空回りを抑制し脱出しやすくなります。
数日分準備しておくと心強いでしょう。
ガムテープは鍵穴の凍結防止に役立ちます。
貼っておくだけで効果を実感できるでしょう。
工具やけん引ロープ、ブースターケーブルは、積雪から脱出できないときに、他の人の助けを得ながら脱出する手段をとれます。
万全の備えとして用意しておくのがおすすめです。
車に装備品を準備しておくことは大切です。
しかし何より重要なのは、積雪や凍結している場合に急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避けること。
“急”がつく運転は事故を招くリスクが高まるため、時間にゆとりを持った行動が非常に大切です。
雪による事故や落雪被害で保険は下りる?
雪による車の損傷は、運転中以外にも起こり得ます。
代表的なのが落雪事故です。
運転以外で雪により車が損傷した場合、保険が下りるのか気になるところでしょう。
落雪被害による損傷でも保険は下ります。
しかし「車両保険」に加入している場合のみです。
車両保険は「一般型」と「エコノミー型」がありますが、車の損傷の原因によって保険が下りない場合があります。
どういった場合、保険の対象になるのでしょうか?
どの車両保険でも適用されるケース
運転以外での車の損傷としてよく見られるのは、屋根からの落雪被害。
「自宅の駐車場に停めていたところ、屋根の雪が車に落ちてきた」というケースです。
屋根などの高い場所から雪の塊が車を直撃すると、車のルーフ(車の屋根)部分やボンネットなどはカンタンに凹んでしまします。
また、雪の重みでカーポートが落ち崩れ車が損傷したり、雪崩によって車に傷がついたりすることも。
こうした落雪被害は、「一般型」と「エコノミー型」いずれの車両保険でも保険が下ります。
一部の保険のみ適用されるケース
一方単独事故による車の損傷は、保険適用外となるケースがあります。
例えば雪道でスリップして車が物にぶつかったり、降り積もった雪に衝突したりした場合です。
このような損傷で保険が下りるのは車両保険の「一般型」のみ。
「エコノミー型」では保険が下りないため注意しましょう。
スリップによる車との接触事故は、一般の事故と同じように補償の対象となります。
車の修理費用が高額になる場合は保険を使って修理をしますが、保険を使うことにより翌年の保険等級は下がります。
等級が下がると保険料が高くなるので、保険を使う場合は翌年の保険料がどれくらい高くなるのか保険会社に確認しましょう。
車の修理代金はどれくらい?
冬型事故の場合、車の修理代金が高額になる傾向があります。
例えば路面凍結によるスリップでは車のコントロールが効かず、スピードが落ちることなく衝突します。
車の損傷の程度や部位によっても異なりますが、修理代金は数万~30万円ほどかかることも。
雪はかなりの重量があるため、高所からの落雪の衝撃は相当なもの。
小さな凹みであれば修理は可能ですが、大きな損傷となるとルーフパネルごと交換が必要です。
ルーフパネルの交換は高額な修理代金が必要になると同時に、車の骨格部分にダメージを受けた「修復歴車」として扱われます。
また、冬場は事故が多いことから業者も忙しく、修理代金が上乗せになる場合や修理までに日数がかかることもあるでしょう。
廃車や修理以外に売却も視野に!
冬に起こる事故は車に大きなダメージを与えることが多く、その分修理代金も高額になる傾向があります。
さらにルーフ部分など車の骨格に大きな損傷を受けた場合は「修復歴車」となるため、乗り換えのため売却しようとしても査定額が低くなってしまうのが現状。
車の年数や走行距離、損傷の程度によっては廃車となることも考えられます。
こうした雪害による車の売却を検討する場合は、中古販売業者ではなく「事故車買取専門業者」がおすすめ。
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事故により急な乗り換えが必要となった場合、売却価格はもちろんですが売却までのスピードも重要です。
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