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車検切れの車で交通事故⁈科される罰則と責任を徹底解説

車検が切れた車で公道を走行することは法律で禁止されています。車検の有効期限に注意しましょう。

自動車は有効な車検証を交付されていなければ、公道を走行してはいけないと法律で禁止されていますが、

「実施日を一ヶ月間違えていて、車検に出し忘れた」
「車検に出す金銭的余裕がない」

という理由で、そのまま車検に出さずに乗っている方が少なくありません。

車検は車両の安全性や環境への影響などを検査する制度で、万が一事故に遭った際、自動車の構造上の欠陥又は機能障害がないことを証明するために必要です。

自動車を運転する人には、車の安全性の確認と走行によって他者に危害を与えた場合の損害を賠償する義務があります。

車検切れの状態で車を運転することは、義務を放棄していると捉えられて、重い罪が科せられます

当記事では、車検切れの車を走らせて事故に遭ったときの罰則やNG行為、事故車の処分方法などについて解説いたします。

小池 一敏

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む

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目次

車検切れと自賠責保険切れに科せられる罰則とは?

公道を走行するためには、初回車検以降は2年に一回車検を受けて車検証(正式名称は自動車検査証)と自賠責保険証を更新することが義務付けられています。

車検を受けるには自賠責保険の加入が必須であるため、何かしらの事情で有効期限が切れても車検を受けられるように自賠責保険は長めに契約します。

自賠責保険は有効期限日の正午で契約満了となるうえ、月単位でしか契約できないため、車検の期間よりも1ヵ月多めに契約することが一般的です。

そのため、車検は切れているものの自賠責保険は保証期間内という状況も発生します。

この章では、更新を忘れて車検のみが切れた場合車検と自賠責保険の両方が切れた場合罰則について解説します。

有効期限が切れた状態で公道を走行した場合の罰則は以下の通りです。

車検切れは6点加点と30万円の罰金

道路交通法では車検切れ状態で公道を走行することを「無車検運行」と呼びます。

他の公道利用者に危険をもたらす行為を犯したとして、行政処分刑事処分の両方が科せられます

▼無車検運行の罰則

行政処分 刑事処分
違反点数が6点加点(30日間の免許停止) 6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金

行政処分としては、違反点数が6点加点されて30日間の免許停止処分をうけます。

刑事処分としては、道路運送車両法第58条に基づき、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を支払う必要があります。

※刑事処分の内容に関しては道路運送車両法第108条に記載されています。

上記の処分は車検切れのみの罰則であり、信号無視や一時停止違反で警察に止められた際に車検切れが発覚した場合は、別途罰金が発生しますので注意が必要です。

なお、行政処分は同時に複数の違反を犯した場合点数が重い方のみ加点されます。

6点を超えなければ車検切れの点数を適用します。(参考:警視庁|交通違反の点数一覧

また、車検を受ける際に強制的に加入させられる自賠責保険にも有効期限があります。

自賠責保険は、車検満了日の1か月後に補償期限が失効する場合が多いです。

次の項目では、自賠責保険を切らしている場合の罰則について解説します。

自賠責保険切れは6点加点と最大80万円の罰金

自賠責保険が切れた状態で公道を走行した場合、自動車損害賠償保障法第86条の三に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

車検は自賠責保険に加入していなければ受けることができません。

自賠責保険が切れている場合は、車検が切れている場合の罰金分と合わせて最大80万円支払う必要があります。

▼無車検・無保険運行の罰則

行政処分 刑事処分
違反点数が6点加点(30日間の免許停止) 1年以下の懲役*¹または80万円以下の罰金

*¹懲役とは刑務所に収監されて労働を強いられる刑罰のこと

なお、初犯の場合は満額にならず、50万前後の支払いを求められることが多いです。

万が一下された罰金額を支払えない場合は、刑務所に収監されて不足分を支払いきれるまで労働を行わなければなりません

期間の目安としては、罰金の不足分を5000円でわった日数です。

例:25万円支払えなかった場合は50日間刑務所で労働を行う

行政処分に関しては、自賠責保険切れの違反点数が車検切れと同じ6点加算であるため、30日間の免許停止処分を受けることになります。

車検切れの車で事故を起こした場合の処罰をケース別に解説

車検切れの車で事故を起こした場合、車検切れの罰則事故に対する罰則の両方が科せられます。

これは、事故の過失割合とは別問題ですので、相手の過失による事故であっても無車検運行の罰則はつきます

車検切れかつ自賠責保険が失効している車は、相手への損害賠償や治療費を自己負担しなければなりません。

自賠責保険が切れていると任意保険も適用されない可能性が高く、全額自己負担となることがあります。

車検切れで事故を起こした場合、それぞれどのような罰則が科されるのか、物損事故と人身事故にわけてご紹介していきます。

物損事故の場合に科せられる罰則は2つ

物損事故の場合は、下記の理由により車検切れや自賠責保険切れの罰則のみ科せられます

物損事故は人的被害を出していないので、きちんと警察に報告を行えば記録は残るものの、行政処分や刑事処分の対象にはなりません。

つまり、車検切れの状態で物損事故を起こした場合の罰則は、30日間の免許停止と最大80万円の罰金を納付するのみです。

しかしながら、誰にも被害がないからと警察に報告をしなかった場合は、道路交通法第72条の違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法第119条1項10号)が科せられます。

また、物損事故を起こしたにも関わらずそのまま走り去る「当て逃げ」を行った場合は、報告義務違反に加えて危険防止措置義務違反も成立します。

▼必要な措置を取らなかった場合

刑事責任 行政責任
1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道路交通法第117条の5 7点加点(安全運転義務違反の2点と危険防止措置義務違反の付加点数5点)

※刑事処分と行政処分は状況によって変わる場合があります。

上記の処置を行わなかった場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が追加で科せられます

以上のことから、物損事故が発生した場合は被害の大小に関わらず、必ず車を停めて警察に通報し、事故の状況を報告しましょう。

その際、周囲にけがをした人がいないかの確認や二次被害を起こさないための措置(発炎筒や三角表示板の設置)も欠かさず行う必要があります。

人身事故の場合に科せられる罰則は3つ

車検切れの車で人身事故を起こした場合、3つの罰則が科せられます。

車検切れ 自賠責保険切れ 過失運転致(死)傷罪
6点加点 6点加点 付加点数(下表参照)
6カ月以下の懲役か

30万円以下の罰金

1年以下の懲役か

50万円以下の罰金

7年以下の懲役か禁錮

100万円以下の罰金

車検切れと自賠責保険切れの罰則に関しては、「車検切れと自賠責保険切れに科せられる罰則とは?」の章で解説しておりますので、割愛させていただきます。

人身事故は被害者に与えた怪我の程度で処罰が大きく変わり、傷害が重傷(たとえば治療に6か月以上かかる場合)でない限り、過失運転致傷罪(刑法第208条)が適用されます。

過失運転致傷罪の行政処分としては、被害者が受けた傷害の度合いにより違反点数が加算され、免許停止や免許取消になります。

違反点数の加算度合は、安全運転義務違反の2点と下記の付加点数です。

被害の度合い 自分の責任が大きい その他の責任の割合が大きい
被害者死亡 20点 13点
3か月以上の治療が必要 13点 9点
3か月未満の治療が必要 9点 6点
30日未満の治療が必要 6点 4点
15日未満の治療が必要(又は建物破壊) 3点 2点

参考:交通事故の付加点数

なお、行政処分は同時に複数の罪を犯した場合、重い方のみ加点されるので、被害者の傷の度合いにより違反点数が変わります

ケース①被害者の怪我が軽度(15日未満の治療が必要)である場合

違反点数は、安全運転義務違反の2点と付加点数の3点を合わせた5点になります。

この場合、車検切れの違反点数の方が重たいので、行政処分として車検切れの6点のみが加点されます。

ケース②被害者の怪我が全治15日を超える場合

違反点数は、安全運転義務違反の2点と付加点数の6点以上を合わせた点数になるので、人身事故による違反点数分を加点します。

また、万が一相手を死亡させてしまった場合は、過失運転致死罪(刑法第208条の2)に該当し、3年以下の懲役刑または1年以上の禁錮刑と50万円以下の罰金刑が科せられます。

そのうえ民事訴訟において被害者側から損害賠償を請求された場合、判決で決まった慰謝料逸失利益(故人が事故に遭わなければ得られた収入)を支払わなければなりません。

一般的に人身事故に対する賠償は傷害部分について最大で120万円ですが、後遺障害部分については75万円から4,000万円ほど請求される場合があります。

自賠責保険が切れていると任意保険は使えない場合が多いので、上記に挙げた罰則と賠償金を全て自己負担するとなるとあなたの生活にも大きな支障を与えることになります。

車検の有効期限はしっかりと覚えておき、忘れず更新するようにしましょう。

車検切れの車で事故を起こした場合は違反点数に注意

車検切れの車で事故を起こした場合、違反点数が一気に加点されるため注意が必要です。

これまでにもお伝えした通り、車検が切れた状態で公道を走行するだけでも6点加点されてしまい、30日間の免許停止処分を受けます。

違反点数は現在から過去3年間をさかのぼって累積され、違反した後に1年間無事故・無違反の期間があるなど特定の条件を満たさなければリセットはされません。

そのため、既に違反点数が溜まっている場合、免許停止期間の延長や免許取消といった処分が下される可能性が少なくありません。

そこで行政処分の基準をご紹介いたします。(参考:警視庁|行政処分基準点数

▼初犯の場合

点数 処分
6~8点 30日免許停止
9~11点 60日免許停止
12~14点 90日免許停止
15~24点 1年免許取消
25~34点 2年免許取消
35~39点 3年免許取消
40~44点 4年免許取消
45点以上 5年免許取消

過去に行政処分を受けたことがない場合は、停止期間に差異はあれど14点までは免許停止処分にとどまります

ただし、15点目以降からは免許取消処分になるので、人身事故をおこして被害者に全治3か月以上の傷害を負わせた場合は、1年間車を運転することができません。

なお、過去に1度でも行政処分を受けたことがある場合は、基準が上がり処分が重くなります。

経歴 / 処分

免許停止処分

免許取消処分

前歴1回 4点~9点 10点以上
前歴2回 2点~4点 5点以上
前歴3回以上 2点~3点 4点以上

過去に2回免許停止処分を受けたことがある場合は、車検が切れた状態で公道を走行するだけで1年間免許取消になりますので、注意しましょう。

車検切れの車で事故を起こした後のNG行為

この章では、車検切れの車で事故を起こした場合のNG行為を解説します。

どの行為も大変悪質であるため、法的罰則が科せられます。

自身の過失で他者に被害を与えた場合、金銭面で大きな負荷を負うだけでなく社会的立場にも傷がつきます。

後々後悔しないためにも目先の事情を優先せず、交通ルールを守りましょう

警察を呼ばない

交通事故を起こした際に、車検切れがばれたくないからと警察に知らせなかった場合、道路交通法第72条の違反で3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。

物損事故であっても、警察による聞き込み調査や監視カメラの確認などがありますので、絶対にばれないということはありません。

また、自動車保険を適用するには、警察に届けて事故証明書を発行してもらう必要があります。

交通事故を起こした場合は、事故の規模に関わらず必ず警察(110番)に連絡するようにしましょう。

車検切れに気が付いていなかったと嘘をつく

警察の事情聴取で車検切れを指摘された際に、「知らなかった」と嘘をつくのはやめましょう

そもそも運転手は、公道を走行する前に車検に通っている車かどうか把握しておく義務があります。

そのため、車の外からも車内からも目に入るフロントガラスの上部に検査標章(車検ステッカー)」を貼ります。

検査標章の画像です

検査標章にも車検の有効期限が記載されているので、ガソリンスタンドのスタッフや地域の住人が声掛けや通報をしていないか確認される可能性があります。

また、ディーラーやカー用品店で車検を受けている場合、基本的には車検満了日の2ヶ月~3ヶ月前にはがきやDMなどで通知が来ます。

以上のことから、車検が切れていることに気が付かなかったという言い訳は基本的に通りません

隠蔽や虚偽の報告で「刑事責任を回避しようとしている」と判断された場合、逮捕・勾留の可能性が考えられます。

一度疑いの目を向けられれば、話したこと全体の信用性が失われかねないので、保身に走らず本当のことを話すようにしましょう。

自走して自宅や修理工場に運ぶ

事故処理後に車を現場から移動する場合自走できる状態であっても走行はやめましょう

警察からレッカー車で移動するようにと注意勧告されますので、自走が発覚した場合は反省の余地なしとしてさらに厳しい処分が下されます。

警察がいない道を走行したり、フロントガラスを見られないように高速道路で移動していたらバレないだろうと考えるのもやめましょう。

道路には走行中のナンバープレートを自動的に読み取り、車検証と照合して無車検車を摘発するNシステムが設置されています。(参考:国土交通省公式HP)

無車検で公道を走っていると判明すると、車の持ち主宛に無車検運行の禁止車検受検を促す指導ハガキが送付されます。

あなたが車検切れで事故を起こし、罰則を受けていることは記録に残っていますので、自走できる状態であっても必ず積載車を手配して、運んでもらうようにしましょう。

「けん引で良いのでは?」と思われがちですが、タイヤが公道に面していると「走行」と判断されるケースがあります。

そのため、車を丸ごと乗せて運ぶことができる積載車を手配しましょう。

積載車の依頼は意外と簡単にすることができます。

どこの業者に依頼すればいいか分からない方や相場が気になる方は、「事故車や故障車をレッカー移動させる場合の費用や業者を紹介!」をご確認ください。

事故車の処分に困ったらタウにお任せ

車検が切れた車で事故を起こしてしまった場合、「修理して乗り続けるのか、または乗り換えた方が良いのか」と悩みますよね。

車検が切れた車を修理に出すには、まず車検を通す必要があり、車検を受けるためには自賠責保険に加入する必要があります。

修理費用だけでなく車検代などもかかるとすれば費用は高額になります。

では、修理に出さず乗り換えを検討するのはどうでしょうか。

中古車買取業者やディーラーの下取りに出す場合、未修理の車は価値が大きく下がるので、買取を断られるケースが少なくありません

事故車の査定に関しては、「修復歴あり!査定額はどれくらい下がる?高額査定を狙うコツも伝授!」の記事で詳しく解説しております。

事故車の処分にお困りの場合は、事故車買取専門のタウにお任せください。

当社は、事故車、修復歴車、未修理車、水没車、不動車などを専門に買取しています。

日本製の中古車は海外でニーズが非常に高く、国内では価値がないと判断される状態の車であっても問題なく取引されます。

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まとめ

車検切れや自賠責保険切れの状態で事故に遭ってしまうと複数の罰則が科せられ、100万円前後の罰金と免許停止を受けることになります。

賠償金額が大きく懲役禁錮刑になった場合、社会的立場を失うことになります。

日頃から車検の期限を意識し、期限切れを防ぐことが重要です。

万が一事故を起こしてしまった場合は、迅速かつ誠実な対応を心がけ、被害の拡大を防ぎましょう。

また、令和7年4月より道路運送車両法が改正され、車検証の有効期間満了日の「2か月前」から車検を受けられるようになります。(参考:国土交通省

この期間に車検を受けた場合でも、残っている有効期間は失われないので、余裕をもって検査を受けるようにしましょう。

なお、車検切れを防ぐためには以下の対策が有効です。

  • リマインダー設定
  • 車検を依頼する業者からの通知

車検の予約をつい忘れてしまう方は、スマートフォンのカレンダーアプリを活用したり、業者と連携したりして車検時期が近づくと通知が来るように設定するとよいでしょう。

小池 一敏

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。

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