「『ハイブリッドシステムチェック』というシステム異常表示が出た…」
「プリウスのバッテリーが劣化してきた…」
「そろそろバッテリー交換が必要かも…」
上記のようにお困りではありませんか?
初代の10系から、20系、30系、50系、現行の60系と、人気を集めてきたトヨタのプリウス。
バッテリーが劣化すると、快適に走行するのが難しくなるため、早めに点検を実施しましょう。
実は、プリウスのバッテリー交換費用は50万円と高額になることも。
ただし、メーカー保証やリビルト品などを活用することで、バッテリーの交換費用は安くすることができます。
当記事では、プリウスのバッテリー交換にかかる費用や安くするコツ、自分でバッテリー交換を行えるかどうかなどについて解説。
記事を読むことで、バッテリー交換をお得に行えるようになるでしょう。
プリウスには2つのバッテリーがある
プリウスは、ハイブリッドカーの代名詞とも呼べる車。
「ハイブリッド(組み合わせる)」という言葉の通り、ハイブリッドカーとは、ガソリンと電気という2つの動力源を持っている車のことです。
ハイブリッドカーには、以下2つのバッテリーが備えつけられています。
- ガソリン車と同様の補機バッテリー
- ハイブリッド専用の駆動用バッテリー
それぞれの役割や場所について、順番に解説していきます。
ガソリン車と同様の補機バッテリー
補機バッテリーとは、ガソリン車のバッテリーと同じような役割を果たすバッテリーのこと。
主に以下のような役割を持っています。
- システムを起動する
- カーナビなどの電装系に電力を与える
- 駐車している間のバックアップメモリー
プリウスに備え付けられた補機バッテリーは、ガソリン車に備えられている一般的なバッテリーと同じ仕組みや役割を持っています。
なお、車種によって適合するバッテリーの種類は異なります。
補機バッテリーが設置されている場所は、プリウスの型式によって異なります。
それぞれの場所は、以下の通りです。
型式 | 補機バッテリーの位置 |
初代(10系) | トランクルームの左側 |
20系、30系 | トランクルームの右側 |
50系、60系 | エンジンルーム |
※「NHW20」などの型式の数字の部分をとって「20系」などと表記
上記を参考に、ご自身のプリウスではどこに補機バッテリーがあるのか、ぜひチェックしてみてください。
ハイブリッド専用の駆動用バッテリー
駆動用バッテリーとは、プリウスのようなハイブリッドカーのモーター部分を動かすためのメインバッテリーのこと。
駆動用バッテリーの役割は、車を走らせることです。
こちらのバッテリーは、エンジンが動き、走れる状態となっていれば勝手に充電されるもの。
そのため補機バッテリーに比べると、バッテリー上がりが発生しにくいという特徴があります。
プリウスの駆動用バッテリーは、リアシートの下に設置されています。
プリウスのバッテリー交換の費用相場
ここまで、プリウスに備え付けられた2つのバッテリーについて解説してきました。
では、それぞれのバッテリーを交換するのにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
プリウスの補機バッテリー交換にかかる費用は、2〜4万円程度。
駆動用バッテリーの交換費用は、8〜50万円程度と高額になりやすい傾向にあります。
ちなみにバッテリー交換は、ディーラーや整備工場で実施することが可能です。
2種類のバッテリーそれぞれの交換費用について、以下で詳しく見ていきましょう。
補機バッテリー交換は2~4万円
補機バッテリーの交換にかかる費用は、2〜4万円程度。
なお、バッテリーの性能やサイズによっても金額は変わってきます。
交換の際は、現在のバッテリーサイズの情報や車検証が必要となることも。
交換には20分程度の時間がかかります。
駆動用バッテリー交換は8~50万円と高額
駆動用バッテリーの交換費用は、8〜50万円程度。
一般的に、旧モデルよりも現行モデルのバッテリー交換の方が高額になりやすい傾向にあります。
駆動用バッテリーが補機バッテリーよりも高い理由は、蓄積できる電力の量にあります。
駆動用バッテリーは、電圧が高く容量も大きいことから、補機バッテリーに比べて多くの電力を溜められます。
こうした性能の良さから、補機バッテリーよりも値段が高めとなっているのです。
メーカーから販売されている純正品は、とりわけ高くなりやすい傾向にあります。
ディーラーで見積もりをもらった場合、費用は20〜50万円程度となります。
部品の選び方や依頼する業者を工夫することで、8〜15万円程度にまで抑えられることもあります。
安くするコツについては、後ほど詳しく解説していきます。
プリウスのバッテリー交換費用を安くするコツ
ここまでの解説を読んで「バッテリー交換にはかなりの費用がかかるな…」とショックを受けた方も多いでしょう。
しかしバッテリー交換の際に以下の2つのような工夫を行えば、交換にかかる費用を抑えられることがほとんどです。
- メーカー保証を使う
- リビルト品・中古品へ交換する
それぞれについて順番に解説していきます。
メーカー保証を使う
メーカー保証とは、メーカーが独自に用意している保証のこと。
バッテリーをはじめとした部品などに不具合が起きた際、保証書に載っている条件や期間に従い、無料で修理を受けられるものです。
トヨタではプリウスの補機バッテリー・駆動用バッテリーに対し、メーカー特別保証を用意しています。
せっかくメーカー保証の期間に該当しているにもかかわらず、数十万円の費用を払って交換を行ってしまったら、大きく損してしまいます。
バッテリー交換を行う前に、「メーカー保証の条件に該当していないか」について忘れずチェックを行いましょう。
リビルト品・中古品へ交換する
中古品やリビルト品のバッテリーで交換を行うことで、部品代を大きく削減できます。
リビルト品とは、使わなくなった車や廃車などから取り出して使う、再利用可能な部品のこと。
取り出してそのまま使用するのではなく、細かな点検や検査、壊れている部分の修理や洗浄などをしっかりと行っています。
中古品やリビルト品のメリットは、新品に比べて3分の2以下の価格で手に入れられることでしょう。
一方で、品質が保証されていないというデメリットもあります。
特に中古品の場合、品質は確実に新品よりも劣るでしょう。
点検や清掃などが実施されているリビルト品であれば、中古品よりも高い質が期待できます。
とはいえ、やはり新品と比べれば品質は劣るものです。
これからも長く乗り続ける予定なのであれば、安全性を考えて新品を利用するのがおすすめ。
しかし、あと数年で乗り換える予定がある場合は、中古品やリビルト品であっても十分に走行できるでしょう。
プリウスのバッテリー寿命
ここまで、プリウスのバッテリー交換にかかる費用を抑えるコツについて解説してきました。
そもそも、バッテリーはいつ交換するのが良いのでしょうか。
補機バッテリーと駆動用バッテリー、それぞれについて詳しく解説していきます。
補機バッテリーは3〜4年!50系は点検しよう
補機バッテリーは、3〜4年に一度交換することが推奨されています。
ハイブリッドカーに搭載された補機バッテリーは、ガソリン車のバッテリーよりも寿命が長くなりやすい傾向にあります。
ハイブリッドカーの補機バッテリーは、エンジンを動かす際などに多くの電力を必要せず、負荷がかかりにくいためです。
プリウスの50系(2015〜2023年式)は、製造時期から考えると交換時期が迫っている可能性が高いと言えるでしょう。
「そろそろ寿命かな?」と感じた方は、ぜひ余裕を持った点検・交換を実施してみてください。
駆動用バッテリーは5〜8年!30系は点検しよう
駆動用バッテリーの寿命は、一般的に5〜8年程度だとされています。
ただし、車をどのくらい使用しているかなどによっても寿命は変わってきます。あくまでも目安とするのが良いでしょう。
ちなみに走行距離で言うと、10万km程度が寿命となるとされています。
駆動用バッテリーも補機バッテリーと同じく、ガソリン車のバッテリーよりも寿命が長めになりやすい傾向にあります。
プリウスの30系(2009~2015年式)の場合、製造年から考えると駆動用バッテリーの寿命が近づいている可能性が高いです。異常がないかチェックしておきましょう。
バッテリーが劣化しているときの症状
上記では、プリウスのバッテリーにおける寿命について解説してきました。
では、バッテリーが劣化した状態で使い続けるとどのような症状が発生するのでしょうか。
バッテリーが劣化している時に見られる主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- ハイブリッドシステムの異常警告が出る
- 電装部品の調子が悪くなる
- 燃費が悪くなる
- 加速しにくくなる
上記のような症状が発生すると、快適に走行を行うのが難しくなります。
思い当たる症状が見られる場合は、早めに点検や交換を実施しましょう。
それぞれの症状について、順番に解説していきます。
ハイブリッドシステムの異常警告が出る
バッテリーが劣化すると、警告音が鳴り、デジタルメーターに「ハイブリッドシステムチェック」という表示が出てきます。
見かける頻度の少ない表示であるため、初めて目にして不安に思った方も多いでしょう。
ハイブリッドシステムチェックとは、プリウスにおける「ハイブリッドシステム」に異常が発生していることを示す警告。
ハイブリッドシステムとは、プリウスを動かしているエンジンやモーターのシステムのことです。
ハイブリッドシステムを構成するパーツの中には、バッテリーも含まれます。
そのためバッテリーが劣化し、異常が発生すると、デジタルモニターにハイブリッドシステムチェックの警告が現れるのです。
電装部品の調子が悪くなる
先ほども解説した通り、バッテリーは以下のような電装部品を動かす上でも役立っています。
- ヘッドライト
- ドアロック
- サイドミラー
- パワーウインドウ
上記の部品が正常に作動するためには、バッテリーの働きが欠かせません。
そのため、バッテリーが劣化することで上記のような電装部品も動きにくくなってしまうのです。
電装部品の調子が悪くなると、車内の快適さが保たれにくくなったり、正常に走行するのが難しくなったりすることにもつながります。
安全のため、バッテリーは早めに交換するようにしましょう。
燃費が悪くなる
バッテリーが劣化すると、車の燃費も悪くなってしまいます。燃費が悪くなるメカニズムは以下の通りです。
バッテリーが劣化することで、電圧や充電を受け入れるための性能が弱ってしまいます。
すると、「バッテリーはたくさん充電しているにもかかわらず電圧が高くならない」という状態に陥ってしまうのです。
電圧が高くならない状態が続くことで、車は「電圧が低いから充電しなければならない」と判断します。
するとその結果、オルタネーター(電気を生成するパーツ)が過度に高い出力で発電を行うようになってしまいます。
高出力で発電されることによってエンジンに過度な負荷がかかり、燃費が悪くなってしまうのです。
加速しにくくなる
バッテリーが劣化することで、車が加速しにくくなる可能性があります。
バッテリーが劣化すると、先ほどの通り「電圧が高くなりにくい」という状況に陥ります。
バッテリーの電圧が低い状態となっていると、パワーが出にくくなって加速するためのサポートが行えなくなるため、加速がしにくくなってしまうのです。
バッテリーを新しいものに交換すれば、オルタネーターの回転が軽くなります。
その結果エンジンのパワーが高まるため、加速しやすくなることが期待できます。
プリウスのバッテリー交換は自分でできる?
「バッテリーが劣化すると走行しにくくなるとはいえ、交換費用が高すぎる。あまりプロに交換を依頼したくない…」と思っている方も多いでしょう。
では、プリウスのバッテリー交換をプロに依頼せず、自分で行うことは可能なのでしょうか。
補機バッテリーであれば自分で交換することも可能ですが、駆動用バッテリーの場合、素人の方が自分で交換するのは厳禁です。
補機バッテリーの交換方法や、駆動用バッテリーの交換が行えない理由などについては以下から詳しく解説していきます。
補機バッテリーは自分で交換できる
補機バッテリーであれば、プロに依頼せず自分で交換することも可能です。
まずは、以下のものを準備しましょう。
【準備するもの】
- 新しいバッテリー(現在と同じ型式のもの)
- メモリーバックアップ
- 絶縁テープ
- 絶縁グローブ
- スパナやレンチ
- トルクレンチ
交換の手順は以下の通りです。
【交換手順】
- メモリーバックアップを接続する
- マイナスから順番にバッテリーの端子を取り外す
- ガス排出用チューブをまっすぐ引き抜く
- バッテリーを新しいものに入れ替える
- 端子をプラスから順に取り付ける
- ガス排出用チューブをつなぐ
- メモリーバックアップを取り外す
- 車載装備の動作を確認する
交換の際は、手順を守って正しく実施しましょう。
万が一のリスクを抑えるためにも、絶縁グローブなどで感電対策を行うことを推奨します。
また、端子を外している間は絶縁テープを貼っておくと安心です。
駆動用バッテリー交換はプロでないと危険
駆動用バッテリーは、プロの方でない限り絶対に自分では交換しないようにしましょう。
駆動用バッテリーの交換を行うためには、低圧電気気取扱業務のための特別教育を受けていなければなりません。(参考:厚生労働省)
というのも、駆動用バッテリーは200Vの高電圧を持っており、交換を行う上で大きな危険を伴うためです。
素人の方が自身で交換を行おうとした場合、感電や火災を引き起こす可能性もあります。
安全のため、必ずディーラーや整備工場に依頼するようにしましょう。
バッテリー交換より買い替えの方がお得なことも
プリウスのバッテリー交換にかかる費用は、最高で50万円ほどとなるケースも。
費用が高交換費用が高いのであれば、思い切って買い替えてしまった方がお得です。
古い車の場合は他のパーツにもガタが来ている可能性が高いため、バッテリー以外のパーツにも故障リスクがあります。
車のあらゆるパーツが故障すれば、バッテリーを交換しても長くは乗り続けられないでしょう。
とはいえ修理費用が高くつく車は、ディーラーや中古車買取業者では良い値段をつけてもらえません。
中には、逆に引き取りのための費用を取られるケースも。
ディーラーなどで高価買取が期待できない車は、故障車を高く買い取っている専門業者に売るのがおすすめです。
弊社「事故車買取のタウ」では、独自の販売ネットワークやノウハウを生かし、故障車であっても高価買取を実現しています。
事故車買取のタウでは、これまでにさまざまなプリウスを買い取らせていただいています。
買取実績の一例としては、以下のようなものが挙げられます。
年式 | H29年(2017年) |
買取金額 | 640,000円 |
エンジン | 正常 |
エアバッグ | 正常 |
買取時期 | 2022年9月 |
年式 | H28年(2016年) |
買取金額 | 400,000円 |
エンジン | 異常 |
エアバッグ | 正常 |
買取時期 | 2021年3月 |
年式 | H22年(2010年) |
買取金額 | 30,000円 |
エンジン | 正常 |
エアバッグ | 正常 |
買取時期 | 2021年8月 |
その他の買取事例については、こちらからチェック可能です。
バッテリー交換にかかる費用が高すぎると感じた場合は、ぜひご相談ください。