「経年劣化で修理する場所が多くなった」
「エンジンの修理費が思ったより高額になった」
「自走できない故障車を修理したい」
上記のような場合は、故障の修理にも車両保険は使えるのか?と疑問に思う方もいるはず。
結論からお伝えすると、基本的には車の故障の修理に車両保険を使用できません。
しかし、故障の原因や契約している保険の特約次第では、車両保険を使えることもあります。
今回は、故障の修理でも保険を使用できる4つのケース や 修理費を安くする方法を紹介します。
故障の修理費用をなるべく抑えたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
車両保険は故障の修理には基本的に使用できない
前述したように、基本的に車両保険は故障の修理には使用できません。
そもそも車両保険というのは事故時の自分の車の損傷や故障に対して使用できる保険になります。
保証の対象になるのは、車や動物との衝突や電柱にぶつかったなどの自損事故の場合です。
そのため、
・経年劣化による故障
・エンジントラブル
・バッテリーの交換費用
などには適用されません。
保険を使わず自費で修理すると、費用がかさむことを心配されている方のために、後ほど、【修理費を安くする方法3選】を解説します。
【例外】故障でも保険を使用できる4つのケース
基本的には故障の修理には、車両保険が使用できないとお伝えしました。
ですが、例外で保険を使えるケースが4つあります。
- 外的要因で故障した
- 故障でも使用できる特約に加入している
- 保険でレッカーを依頼できる
- 代車特約に加入していれば無料で代車を使える
1つずつ解説します。
外的要因で故障した
以下のような外部要因の場合は、故障の修理に車両保険を使用できます。
- 台風・洪水・高潮が原因で故障した
- 火災・爆発で故障した
- いたずらのせいで故障した
車の内部の故障ではなく、外部的なことが原因で故障した場合は車両保険を使用できます。
ただし、自然災害の場合でも地震は対象外になります。
もし故障の原因が上記の場合は保険会社に連絡してみましょう。
各保険会社のご連絡先
保険会社 | 電話番号 | WEBフォーム |
アクサダイレクト | 0120-193-877 | チャットで相談 |
イーデザイン損保 | 0120-649-722 | チャットで相談 |
東京海上日動 | 0120-233-316 | WEBで連絡 |
SBI損保 | 0800-8888-832 | WEBで連絡 |
セゾン自動車火災保険 | 0120-163-037 | チャットで相談 |
ソニー損保 | 0120-303-709 | WEBで連絡 |
損保ジャパン | 0120-668-292 | WEBで申し込み |
チューリッヒ | 0120-860-001 | WEBで申し込み |
三井住友海上 | 0120-258-365 | WEBで申し込み |
三井ダイレクト損保 | 0120-312-750 | メールで問い合わせ |
楽天損保 | 0120-115-603 | WEBで申し込み |
故障でも使用できる特約に加入している
「損保ジャパン」と「東京海上日動」の保険会社では、一部の特約に加入していれば、故障時でも保険を使用できます。
それぞれの特約の内容は以下の通りになります。
保険会社の名前 | 損保ジャパン | 東京海上日動 |
特約の名前 | 故障運搬時車両損害特約 | 故障補償特約(搬送時) |
特約保険料 | 月々490円
(契約の内容により変化) |
自動付帯のため無料
(車両保険を契約後84カ月経過後にセット) |
補償内容 | 自走できず、レッカーで搬送された車 | 自走できず、レッカーで搬送された車 |
補償金額 | 故障の修理費を最大100万円まで補償※1 | 故障の修理費を最大10万円まで補償※2 |
補償対象外 |
|
異音などの故障
|
※1車両保険金額が100万円を下回る場合は車両保険が上限になる
※2車両保険金額が10万円を下回る場合は車両保険が上限になる
参考:
故障の修理費も補償する自動車保険 | 【公式】損保ジャパン
お車の補償に関するその他の特約 | トータルアシスト自動車保険 | 東京海上日動火災保険
上記の表のように自走できない場合の故障に関しては特約に加入していれば、保険を使用することができます。
東京海上日動の特約では車両保険と自動付帯になるので、意図して加入できませんが、損保ジャパンの特約では希望すれば加入できます。
特約に加入しているか確認するためには以下の方法があります。
確認する方法 | 詳細 |
保険証券 | 保険会社との契約内容を記した文書 |
ご契約内容のお知らせ | 保険会社から一年に一回送られてくる確認書類 |
保険料控除証明書 | 毎年11月頃に送付される控除が記載されている書類 |
保険会社に問い合わせる | 損保ジャパンの契約内容の確認はこちら
東京海上日動の契約内容の確認はこちら |
保険証券は大切なものなので車の中に車検証と一緒に保険されている方が多いです。
どこにあるか忘れた場合はダッシュボード内にないか確認してみましょう。
保険会社に問い合わせる時には「証券番号」と呼ばれる番号があればスムーズに問い合わせできますよ。
保険でレッカーを依頼できる
内部的な故障の修理は車両保険を使用できません。
しかし、故障して自走できない場合は保険会社に依頼するとレッカーを手配してもらえます。
レッカーで搬送してもらえるのは保険会社側が指定した修理工場までになります。(保険会社によって多少異なります。)
バッテリー上がりやタイヤのパンクといった自走できないがすぐ処置できる場合は、応急処置を保険適用で対応してもらえます。
応急処置では修理できないような故障の場合はレッカーで修理工場に運んでもらいましょう。
保険を使用してレッカーを依頼しても等級は下がらないのでご安心ください。
代車費用特約では代車代を保険で支払える
故障で修理中に代車が必要という場合もあるのではないでしょうか?
代車費用特約に加入していれば、代車費用を保険で支払うことができます。
故障時でも使える代車費用特約がある保険会社一覧は下記になります。
保険会社 | 特約名 | 借りれる最大日数 |
損保ジャパン | 代車等諸費用特約 | 事故:15日~30日
故障:15日 |
東京海上日動 | レンタカー等諸費用アシスト | 故障:15日
事故:30日 |
チューリッヒ | レンタカーサポート | 24時間 |
SBI損保 | 故障損害等に関する代車費用補償特約 | 30日 |
楽天損保 | 事故・故障時レンタカー費用補償特約 | 15日 |
レンタカーを借りると何気に費用がかさんでしまうと思います。
代車費用特約に加入している方はぜひ使用してみましょう。
また、修理であれば修理工場やディーラーから代車を無料で借りれる場合があるので、代車を使用できるか聞いてみましょう。
ちなみに保険でレッカーを使用したとき同様、代車費用特約を使用しても等級は下がりません。
保険を使用する場合は等級が下がる
上記で故障でも保険を使用できる場合を紹介しました。
保険を使用すると等級が下がり、次年度の保険料が上がってしまいます。
例外としてロードサービスのレッカーを保険で手配した場合や代車費用特約などでレンタカーを借りた場合は等級はさがりません。
修理で保険を使用した場合の等級の下がり方は以下の通りになります。
保険の種類 | 保険を使用した内容 | 下がる等級数 |
車両保険 | 台風・火災・洪水 | 1等級 |
いたずら | 1等級 | |
故障でも使用できる特約 | 車の故障 | 1等級 |
では実際に保険の等級が1等級下がった場合、次年度の保険料を紹介していきます。
今回は現在の保険料が9万円、等級が15等級だった場合でシュミレーションをしてみましょう。
保険を使用した場合 | 保険を使用してない場合 | |||
年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
今年 | 15等級 | 90,000円 | 15等級 | 90,000円 |
次年度 | 事故あり14等級 | 144,000円 | 無事故16等級 | 88,000円 |
2年後 | 無事故15等級 | 90,000円 | 無事故17等級 | 86,000円 |
3年後 | 無事故16等級 | 88,000円 | 無事故18等級 | 84,000円 |
合計 | 412,000円 | 348,000円 |
1等級下がるだけだと大きく費用は変わりません。
修理費用が高額になりやすいエンジンなどは保険を使用する方がお得ですね!
修理の費用と次年度からの保険料を比較して保険を使用するか判断しましょう。
修理費を安くする方法3選
ここまでで保険を使えるケースを紹介してきましたが、車両保険の適用外の故障や特約に加入していない方もいるでしょう。
そんな方のためにここからは車の修理費を安くする下記の3つの方法を紹介していきます。
- リビルト品を使用する
- 修理工場に依頼する
- 相見積もりをとる
上記の3つを行うことで当初の修理費から数十万円安くなることも!
修理費が思ったより高かった方はぜひ参考にしてください。
①リビルト品を使用する
1つ目はリビルド品を使用することです。
リビルト品は中古部品にはなりますが、新品同様の見た目と性能を持っています。
見た目と性能は新品同様とはいっても部品代は約3〜7割程度安くなります。
ただし、ディーラーでは純正パーツを使うことも少なくなく、リビルド品が使用できないこともあるので修理を依頼する際に確認してみましょう。
②修理工場に依頼する
安くする方法の2つ目は、修理工場に依頼することです。
なぜなら、修理工場はディーラーより工賃が安くなる傾向があるからです。
前提として、修理工賃は、下記のように決まります。
自動車標準作業点数とは、日本自動車整備振興会連合会により定められており、ディーラーや修理工場でも同じになります。
一方、レバレートとは、1時間当たりの基本工賃で業者が自由に決めることができます。
下記のようにレバレートは、整備工場の方がディーラーより安くなる傾向があり、工数が増えるほど修理費用に差が生まれています。
業者 | レバレート | 時間(工数) | 費用 |
修理工場 | 8,000円 | 20h | 160,000円 |
ディーラー | 11,000円 | 20h | 222,000円 |
工数が多くなるほど、費用の差が生まれるため、なるべく修理費用を抑えるためには、修理工場がおすすめです。
③相見積もりを取る
3つ目は、相見積もりを取ることです。
理由としては一番安い修理工場などに依頼しやすくなるからです。
例えば、あなたが一つの工場で50万円の修理費用の見積もりを出してもらったとします。
他の工場は20万円、30万円の修理費用で修理ができますが、あなたは知らずに50万円で修理をしてしまいます。
相見積もりを取った場合は一番安い20万円の修理代で修理できますよね。
さらに複数の業者に問い合わせをしているため、値段が一緒でも一番対応が良かった業者に修理を依頼できます。
様々な面から最適な業者を見つけるためにも相見積もりは役に立ちます。
納得した価格と接客で修理を依頼できるため相見積もりはとてもおすすめです。
修理費用が高額になる場合は売却も一つの手段
修理費用が高額になる場合は売却も1つの手段です。
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まとめ
今回は故障車でも車両保険を使用できるのかについて解説していきました。
車両保険は基本的には故障では使用できません。
しかし保険会社の特約に加入すれば、故障した車でも修理費用に保険を使用できます。
また車両保険では地震を除く自然災害や火災といった外的要因が起こった場合は車両保険を使用して修理が可能です。
特約や車両保険を使用した場合は等級が1つ落ちてしまうので、次年度の保険料と修理費用を比べて検討してみましょう。
もし、保険が使用できず修理費が高額になってしまう場合は売却も1つの方法です。
売却する場合は事故車のタウにお任せください!
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