自動車の一時抹消登録とは、一時的に車の登録を抹消する手続きのことです。
長期間、使用する予定のない車の一時抹消登録をすることで、自動車税の支払いを一時的にストップすることができ、無駄な出費を抑えることができます。
しかし、手続き方法や必要書類がわからない方も多いのではないでしょうか?
手続きや必要書類がややこしく、初めての方は手続きや書類で戸惑うこともあるでしょう。
そこでこの記事では、「一時抹消登録の手続き方法や必要書類・費用」について詳しく解説します。
一時抹消登録と永久抹消登録の違いも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
一時抹消登録とは?
一時抹消登録とは、車の登録を一時的に抹消することです。
普通自動車と軽自動車で呼び方が異なります。
※以下より普通自動車は普通車
普通車:一時抹消登録
軽自動車:自動車検査証返納届(一時使用中止)
また、必要書類や手続き場所なども普通車と軽自動車で異なるので注意しましょう。
必要書類については、後ほど詳しく解説します。
一時抹消登録をすることのメリットは、自動車税の支払い義務がなくなることです。
年間で数万円以上の節約になります。
車に長期間乗らない場合、一時抹消登録の手続きをするのがよいでしょう。
また、一時抹消登録は、再登録することで、また車に乗ることができるので、将来的に車を使用したい場合におすすめです。
永久抹消登録との違い
廃車の手続きには、一時抹消登録のほかに永久抹消登録があります。
一時抹消登録と永久抹消登録の違いは、解体の申請をするかしないかです。
廃車の種類 | 説明 |
一時抹消登録 | 解体は行わず登録だけを抹消する |
永久抹消登録 | 解体を行って廃車にする |
永久抹消登録を行う場合には、解体工場で車を解体し、解体証明書をもらいます。手続き後は二度とその車を使用できません。
一方、一時抹消登録は、再登録することでその車をまた使用することができます。
また、下記のように一時抹消登録と永久抹消登録で受け取れる還付金も異なります。
廃車の種類 | 受け取れる還付金 |
一時抹消登録 | 自動車税・自賠責保険の解約返戻金 |
永久抹消登録 | 自動車税・自賠責保険の解約返戻金・自動車重量税 |
永久抹消登録では自動車重量税の還付金もあることがメリットです。
永久抹消登録について、より詳しく説明した記事、車の永久抹消登録完全ガイド!手続き方法・必要書類・費用を徹底解説も併せてご参照ください。
自動車税の課税をストップできる
先述の通り、一時抹消登録をすることで、自動車税の課税をストップできます。
税金の支払い義務がなくなることは、一時抹消登録による最大のメリットでしょう。
自動車税(自家用)の目安の金額は以下の通りです。
車の種類 | 自動車税(目安) |
軽自動車 | 10,800円 |
コンパクトカー | 25,000円〜36,000円 |
ミニバン | 36,000円〜50,000円 |
SUV | 43,500円〜87,000円 |
排気量が大きくなるにつれて、自動車税は高くなります。
軽自動車では1万円ほどですが、排気量の大きいSUVでは、最大で9万円近い自動車税が毎年かかります。
一時抹消登録をすることで次年度の自動車税の課税をストップできるので、排気量が大きい車ほど、一時抹消登録のメリットは大きいです。
また、すでに納めた自動車税は、還付金として戻ってきます。
たとえば、2,500ccのミニバンの自動車税1年間分(約50,000円)を4月に支払った場合、5月以降にもらえる還付金は以下の通りです。
一時抹消登録をした月 | もらえる還付金(目安) |
5月 | 約45,800円 |
6月 | 約41,600円 |
7月 | 約37,500円 |
8月 | 約33,300円 |
9月 | 約29,100円 |
10月 | 約25,000円 |
11月 | 約20,800円 |
12月 | 約16,600円 |
1月 | 約12,500円 |
2月 | 約8,300円 |
3月 | 約4,200円 |
一時抹消登録をするか悩んでいる方は、早めに決断した方が、もらえる還付金は多くなりますね。
ただし、還付金をもらえるのは普通車のみです。
軽自動車は還付の対象ではないので注意してください。
軽自動車の場合、軽自動車税が課税される4月1日を迎える前に一時抹消登録をするのがよいでしょう。
自動車重量税の還付がない
自動車税については前述した通り、一時抹消登録でも還付されますが、重量税の還付があるのは永久抹消登録をした場合のみです。
理由は、自動車重量税は、「自動車リサイクル法に基づき適正に解体され、その解体を事由とする永久抹消登録(解体届出)を国土交通大臣に行うと同時に還付申請を行うこと」が還付条件のため、一時抹消登録では、重量税の還付条件に当てはまりません。
一時抹消登録でも、車をそのまま処分した場合、15日以内に運輸支局へ永久抹消登録の届け出をすることで、車検の残り期間分の重量税が還付されます。
しかし、車検の残り期間が1ヶ月未満は還付されないので注意しましょう。
一時抹消登録を行うケース
一時抹消登録がおすすめのケースは次の2パターンです。
- 再び車検を受けて車に乗る可能性がある時
- 自動車の解体までに時間がかかる場合
詳しく解説します。
再び車検を受けて車に乗る可能性がある時
一時抹消登録を行うべきケースの1つ目は、「再び車検を受けて車に乗る可能性がある場合」です。
一時抹消登録では、名義の再登録をすることで、車を再使用することが可能です。
しかし、永久抹消登録をした場合、車を解体しているので、車の再登録はできません。
入院や長期出張などで一時的に車を使用しないが、また車に乗る可能性がある場合は一時抹消登録がおすすめです。
また、車を他人に譲渡して使用する可能性がある場合も一時抹消登録が良いでしょう。
車が不要になったタイミングで一時抹消登録し、また必要になったタイミングで再登録し使用することができるのは一時抹消登録の大きなメリットです。
再登録する際に下記の費用はかかりますが、使用しない期間の自動車税を支払うことを考えると経済的です。
再登録にかかる費用は以下の通り。
登録手数料:700円
検査手数料:2,100円
ナンバープレート:1,760円
自動車の解体までに時間がかかる場合
一時抹消登録を行うべきケースの2つ目は、「自動車の解体までに時間がかかる場合」です。
車を永久抹消登録する予定だが、車の解体までに時間がかかる場合、一時抹消登録をして自動車税の支払いをストップしておくのが良いでしょう。
永久抹消登録は自動車を解体後にしかできない廃車手続きです。
自動車税が課せられる4月前は、解体業者も忙しくなり、解体に時間を要します。
解体を待っている間に4月1日を越してしまうと、自動車税がかかってしまいます。
そのため、自動車税の課税を一旦ストップするために、解体が終わっていなくてもできる一時抹消登録を済ませ、解体が終わった後に解体届出を提出することがあります。
上記の方法は、運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に2度行く必要があり、少々面倒です。しかし、はじめに一時抹消登録をすることで、自動税の課税をストップできます。
一時抹消登録の必要書類・費用
一時抹消登録に必要な費用については、普通車と軽自動車のいずれの場合でも350円の申請手数料のみです。
ただし、必要な書類は普通車と軽自動車で異なります。
また、申請場所は以下の通りです。
普通車:管轄の運輸支局
軽自動車:管轄の軽自動車検査協会
普通自動車の場合
普通車の永久抹消登録をする際に必要な書類を解説します。
永久抹消登録では、自分で用意する書類と運輸支局で入手する書類に分かれます。
普通自動車の永久抹消登録に必要な書類は以下の通り。
【自分で用意する書類】
- 車検証
- 所有者の印鑑登録証明書(発行日から3か月以内)
- 所有者の印鑑
- ナンバープレート(前後2枚)
- 委任状(代理人が申請する場合)
【運輸支局にて入手可能な書類】
- 一時抹消登録申請書
- 手数料納付書、印紙
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
事前に自分で用意できる書類を用意し、運輸支局に向かいましょう。
そして、当日、運輸支局で入手可能な書類を記入し提出します。
軽自動車の場合
軽自動車の一時抹消登録をする際に必要な書類を解説します。
普通車と同じく、自分で用意する書類と軽自動車検査協会で入手する書類に分かれます。
【自分で用意するモノ】
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 申請依頼書(委任状)
【軽自動車検査協会にて入手可能な書類】
- 自動車検査証返納証明書交付申請書
- 自動車検査証返納届出書(軽第4号様式)
普通車に比べると必要な書類は少ないですね。
書類についてより詳しく紹介した【ケース別】廃車手続きに必要な書類や書き方を徹底解説!の記事も併せてご参照ください。
一時抹消登録するための5STEP
必要書類を準備したら、一時抹消登録の手続きを行いましょう。
一時抹消登録をするための5ステップは以下の通りです。
- 必要な書類を準備する
- 運輸支局で書類を入手し、記入する
- ナンバープレートを返却する
- 窓口に書類一式を提出する
- 自動車税の一時抹消の申告
それでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。
【準備】必要な書類を準備する
ステップの1つ目は「必要な書類を準備する」です。
事前に準備しておく書類は以下の通り。
普通車と軽自動車で必要書類は異なります。
【普通車の必要書類】
- 車検証
- 所有者の印鑑登録証明書(発行日から3か月以内)
- 所有者の印鑑
- ナンバープレート(前後2枚)
- 委任状(代理人が申請する場合)
【軽自動車の必要書類】
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 申請依頼書(委任状)
これらの書類を事前に用意しましょう。
また、紛失や盗難によってナンバープレートがない場合は、理由書が必要になります。
運輸支局で書類を手に入れ記入する
ステップの2つ目は「運輸支局で書類を手に入れ記入する」です。
事前に必要な書類を準備したら、運輸局(軽自動車検査協会)に向かいましょう。
そこで、申請書を手に入れ、記入します。
【普通車の場合】
- 一時抹消登録申請書
- 手数料納付書、印紙
- 自動車税、自動車取得税申告書
【軽自動車の場合】
- 自動車検査証返納証明書交付申請書
- 自動車検査証返納届出書(軽第4号様式)
これらの書類を手に入れ、 書き方の見本があるのでマネして記入しましょう。
ナンバープレートを返却する
ステップの3つ目は「ナンバープレートを返却する」です。
必要書類が揃ったら、ナンバープレートを取り外して返却しましょう。
運輸支局内のナンバー返納窓口にて、2枚のナンバープレートを返納します。
この際、手数料納付書に返納確認印が押されます。
窓口に書類一式を提出する
ステップの4つ目は「窓口に書類一式を提出する」です。
書類一式の準備とナンバープレートの返却が完了したら、書類一式を運輸支局窓口に提出しましょう。
不備がなければ、運輸支局窓口での手続きはここで終わりです。
月末や年度末などの繁忙期には、窓口は混雑することが予想されます。
1時間以上かかる場合もありますので、時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
自動車税の一時抹消の申告
ステップの5つ目は「自動車税の一時抹消の申告」です。
※こちらの必要がない都道府県もございます
一時抹消登録の手続きはステップ4までで完了していますが、自動車税の還付がある場合、運輸支局内にある自動車税事務所の税申告窓口にて申告を行います。
自動車税(環境性能割・種別割)申告書を記入し提出しましょう。
申請が完了したら、以上で一時抹消登録のすべての手続きは終了です。
2ヶ月ほどで還付通知書が届くので、この還付通知書と印鑑、本人確認書類を持って指定の金融機関にいくことで還付金が受け取れます。
一時抹消登録後は自賠責保険を解約しよう
最後に、自賠責保険の還付の手続きを行いましょう。
自賠責保険が1ヶ月以上残っている場合、自賠責保険会社に連絡することで、自賠責保険の還付金を受け取ることができます。
自賠責保険の還付については、基本的に郵送での手続きになり、手続き完了までに3週間ほどかかります。
自賠責保険の還付の手続きに必要な書類は以下の通りです。
【自賠責保険の還付に必要な書類】
- 自賠責保険証明書(本紙)
- 車の廃車またはナンバープレートの返納を証明する書類
- 本人確認書類(本人名義の口座に返戻する場合は本人確認書類は不要)
- 自動車損害賠償責任保険承認請求書(ネットから印刷可能)
これらの書類を用意、記入し、お客さま自賠責サポートデスクへ郵送すれば手続きは完了です。
主な自賠責保険会社のお問合せ連絡先は以下の通りです。
三井住友海上:0120-560-579
東京海上日動:0120-119-110
あいおいニッセイ同和損害:0120-395-101
共栄火災海上:0120-719-112
※営業時間はそれぞれの保険会社や手続き内容によって異なります
自賠責保険や一時抹消登録の手続きは手間のかかる作業ですが、廃車買取業者に依頼することで、手間を減らすことが可能です。
一時抹消中の車を、乗らずに放置し続けると車の状態は悪くなる一方でしょう。
いざ乗ろうと思ったら、車が動かなくなってしまった。そんなことも考えられます。
そのような場合は、車を手放すのも1つの手です。
廃車買取のタウはどんな車でも0円以上で買取をしています。
車体の価格に加えて、自動車税の還付金も全額受け取ることができます。
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