車を「廃車」する場合、専門業者に依頼することが一般的ですが、自分で運輸支局に出向き、手続きをすることもできます。
ただし、廃車を行う上ではさまざまな手続きがあり、用意する書類なども多いです。
初めて行う場合には、ややこしく感じる点もありますが、法的な手続きとなりますので、自分で行う場合は流れを理解しておく必要があります。
そこで当記事では、
- 自分で廃車手続きをする方法
- 業者に依頼するかの判断基準
などについて詳しく解説します。
使わなくなった車の廃車手続きをしたい方はご参考ください。
廃車には2つの種類がある
まず、廃車手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の大きく2つの種類があります。
どちらの手続きを行うかで、手続きの流れ、必要書類、その後の車の扱いも変わりますので、その違いを理解しておく必要があります。
永久抹消登録
「永久抹消登録」とは、普通自動車を永久的に使えなくする手続きです。
軽自動車の場合、「解体返納」と呼ばれます。
永久抹消登録は、今後二度と乗ることのない車両、解体して物理的に破棄したい車両などに対して行う廃車手続きとなります。
永久抹消登録の手続きの一環で、車の「解体」を行うため、その車両は二度と使えなくなります。
一時抹消登録
「一時抹消登録」とは、普通自動車を一時的に使えなくする手続きです。
軽自動車の場合、「自動車検査証返納届(一時使用中止)」と呼ばれます。
一時抹消登録は、一時的に利用を停止したい車、自動車税をかけずに保管しておきたい車などに対して行う廃車手続きです。
前述した永久抹消登録のように解体は行わないため、車両を現物として残せます。
一時抹消登録をした車両は、公道を走らせることはできなくなりますが、その分、自動車税が発生しなくなります。
また一時抹消登録をした車両を再び使用したい場合、車検を受けて中古車新規登録(軽自動車は中古車新規検査)を行いナンバープレートを再交付することで、再使用が可能となります。
自分で永久抹消登録をする6ステップ
ここでは、「永久抹消登録」を自分で行う場合の方法について、順を追って解説します。
永久抹消登録は、以下6つのステップを踏み、進めていくことになります。
ステップ1.車を解体する
ステップ2.必要書類を集める
ステップ3.運輸支局でナンバープレートを返却する
ステップ4.窓口に書類を提出する
ステップ5.保険会社で自賠責保険の解約の手続きをする
ステップ6.還付金を受け取る
車を解体する
永久抹消登録を行う場合、まず最初に車を解体する必要があります。
解体は、使用済自動車を自動車販売事業者や整備事業者など、自治体の登録・許可を受けた引取事業者に依頼する形となります。
これら解体業者にて、フロン類・エアバッグ類・シュレッダーダスト類にわけて処理され、再利用できる素材はリサイクルされる形となります。
解体完了後、解体業者から以下のものが受け渡されます。
- ナンバープレート
- 使用済自動車引取証明書
- 解体報告記録日と移動報告番号の報告を受けるのでメモに控える
これらは、この後の廃車手続きで使用することになりますので、忘れずに受け取り、保管しておきます。
なお解体時の費用として、スクラップ費用が20,000円~30,000円程度、運送費用(レッカー代)が5,000円~30,000円程度掛かることがあります(ただし廃車買取業者であればこれらの費用は無料となることが多いです ※詳細は後述)。
必要書類を集める
永久抹消登録を行う場合には、以下のような書類を用意しておく必要があります。
なお一部の書類は、手続き当日に窓口で入手可能であり、当日そのまま記入して提出することができます。
【普通自動車の必要書類:永久抹消登録】
- 所有者の印鑑証明書 ※発行日から3ヵ月以内のもの
- 車検証
- ナンバープレート前後面の2枚
- 解体報告記録日と移動報告番号のメモ書き
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書(及び解体届出書)
このうち、「5.手数料納付書」と「6.永久抹消登録申請書(及び解体届出書)」の2点は、当日に運輸支局の窓口にて入手できます。
【軽自動車の必要書類:永久抹消登録】
- 車検証
- ナンバープレート前後面の2枚
- 使用済自動車引取証明書
- 自動車検査証返納届出書(及び解体届出書)
- 軽自動車税(種別割)申告書 ※地域によっては不要
このうち、「4.自動車検査証返納届出書(及び解体届出書)」と「5.軽自動車税(種別割)申告書)」の2点は、当日に軽自動車検査協会の窓口にて入手できます。
「3.使用済自動車引取証明書」は、前述もしたように解体時に解体業者から受け渡されます。
印鑑証明書については、軽自動車であれば普通自動車とは異なり、提出が求められません。
追加で書類が必要になるケース
以下のようなケースでは、別途、追加の手続きや書類が必要になることがあります。
必要なケース | 必要書類 |
車検証の住所から引越しをしている | 引越1回:住民票 引越2回以上:戸籍の附票など |
結婚・離婚などで姓が変わった | 戸籍謄本(抄本)、除籍謄本 |
故人の車を廃車する | 戸籍謄本(抄本)、除籍謄本 |
運輸支局でナンバープレートを返却する
運輸支局の窓口に出向き(軽自動車の場合は軽自動車検査協会の窓口)、廃車する車両で使っていたナンバープレートを返却します。
ナンバープレートは前後面の2枚を返却しなければならず、片面1枚だけ無い場合でも廃車が行えません。
なお紛失・盗難などの理由で、ナンバープレートが返納できない場合、「理由書」を作成しあわせて提出する必要があります。
窓口に書類を提出する
前述した必要書類一式を持参し、窓口に提出します。
手続きをする窓口は、普通自動車と軽自動車で異なりますので、出頭先を間違えないようにしてください。
普通自動車の手続き先:現住所管轄の運輸支局(陸運局)
軽自動車の手続き先:現住所管轄の軽自動車検査協会
なお、ここまでの永久抹消登録の手続きは、解体の報告を受けてから15日以内に行う必要があります。
15日の制限があるため、解体報告後はできるだけ早めに必要書類を準備し、窓口で手続きするようにしてください。
保険会社で自賠責保険の解約の手続きをする
永久抹消登録した車の自賠責保険に残り期間があれば、月割で計算され、還付金として返金されます。
ただし自賠責保険の還付金を受け取るためには、保険会社に対して自賠責保険の解約手続きを行う必要があります。
自賠責保険の解約手続き申請は、郵送もしくは保険会社支店の窓口で行えます。
郵送の場合の提出先や印刷用の書類などについては、各保険会社のホームページにて詳細の記載がありますので、そちらをご確認ください。
参考に各保険会社のHPをご紹介します。
なお自賠責保険の解約は廃車手続きが完了していないと行えませんので、先に廃車手続きを終わらせる必要があります。
還付金を受け取る
永久抹消登録した車の「自賠責保険」「自動車税」「自動車重量税」に残り期間がある場合、廃車後に還付金として戻ってきます。
前述もしたように、自賠責保険に限っては解約手続きを行う必要がありますが、自動車税や自動車重量税は特に還付を受ける上で必要な手続きはありません。
それぞれの手続き方法や受け取り方法の詳細は、以下のようになります。
種類 | 還付金の手続き方法、受け取り方法 | 計算方法 | 還付されるまでの待ち時期 |
自賠責保険 |
|
月割 | 3週間程度 |
自動車税(軽自動車税) |
|
月割 | 1か月~2か月程度 |
自動車重量税 |
|
月割 | 2か月半程度 |
自分で一時抹消登録をする5ステップ
続いて、「一時抹消登録」を自分で行う場合の方法について、順を追って解説します。
一時抹消登録は、以下5つのステップを踏み、進めていくことになります。
- 必要書類を集める
- 運輸支局でナンバープレートを返却する
- 窓口に書類を提出する
- 保険会社で自賠責保険の解約の手続きをする
- 還付金を受け取る
前述した永久抹消登録と流れ的にはほとんど同じですが、提出する書類がやや異なってきます。
また決定的な違いとして、永久抹消登録の場合は事前に解体を行う必要がありますが、一時抹消登録では解体は不要です。
必要書類を集める
一時抹消登録を行う場合には、以下のような書類を用意しておく必要があります。
なお一部の書類は、手続き当日に窓口で入手可能であり、当日そのまま記入して提出することができます。
【普通自動車の必要書類:一時抹消登録】
- 所有者の印鑑証明書 ※発行日から3ヵ月以内のもの
- 車検証
- ナンバープレート前後面の2枚
- 手数料納付書
- 一時抹消登録申請書
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書 ※地域によっては不要
- 手数料350円
このうち、「4.手数料納付書」「5.一時抹消登録申請書」「6.自動車税(環境性能割・種別割)申告書」の3点は、当日に運輸支局の窓口にて入手できます。
【軽自動車の必要書類:一時抹消登録】
- 車検証
- ナンバープレート前後面の2枚
- 自動車検査証返納証明書交付申請書
- 軽自動車税(種別割)申告書 ※地域によっては不要
- 手数料350円
このうち、「3.自動車検査証返納証明書交付申請書」と「4.軽自動車税(種別割)申告書」の2点は、当日に軽自動車検査協会の窓口にて入手できます。
印鑑証明書については、軽自動車であれば普通自動車とは異なり、提出が求められません。
運輸支局でナンバープレートを返却する
運輸支局の窓口に出向き(軽自動車の場合は軽自動車検査協会の窓口)、廃車する車両で使っていたナンバープレートを返却します。
ナンバープレートは前後面の2枚を返却しなければならず、片面1枚だけ無い場合でも廃車が行えません。
一時抹消登録は解体は行わないため、ナンバープレートはドライバーなどの工具を使い、自分で外す必要があります。
また注意点として、ナンバープレートを外した場合、公道の走行はできなくなります。
ナンバープレートを装着していない、もしくは正しく識別できない状態で車内で公道を走行すると、違反となり、50万円以下の罰金が科せられます。
廃車手続きのため運輸支局に出向く際であっても、ナンバーのない車で走行するのは絶対に避けてください。
なお紛失・盗難などの理由で、ナンバープレートが返納できない場合、「理由書」を作成しあわせて提出する必要があります。
窓口に書類を提出する
前述した必要書類一式を持参し、窓口に提出します。
手続きをする窓口は、普通自動車と軽自動車で異なりますので、出頭先を間違えないよう注意してください。
普通自動車の手続き先:現住所管轄の運輸支局(陸運局)
軽自動車の手続き先:現住所管轄の軽自動車検査協会
保険会社で自賠責保険の解約の手続きをする
永久抹消登録と同様に、一時抹消登録で廃車にした車であっても、車の自賠責保険に残り期間があれば還付金が受け取れます。
一時抹消登録の場合においても、保険会社に対して解約手続きを行う必要がありますので、郵送もしくは保険会社支店の窓口で解約の申請を行ってください。
還付金を受け取る
一時抹消登録の場合、「自賠責保険」と「自動車税」に残り期間がある場合、廃車後に還付金として戻ってきます。
なお「自動車重量税」においては、一時抹消登録の場合は還付されません。
自動車重量税は車を解体した場合にのみ還付対象となり、一時抹消登録では解体しないため還付対象外となるのです。
自分で面倒と思うなら業者に任せる
ここまで解説したように、自分ひとりで廃車手続きを行うことは可能です。
しかし、行う作業も多いため「さすがに自分でやるのはちょっと」と感じている方もいるかもしれません。
とはいえ業者に代行してもらうと、代行費用が掛かり、余計な出費が発生します。
そこで、ここでは業者に依頼するしないの判断基準について解説します。
一時抹消登録なら自分で手続きする
一時抹消登録の代行は、行政書士事務所などで受け付けていますが、依頼した場合、通常最低でも5,000円以上の代行費用が発生します(変更登録や移転登録などが必要な場合はさらに高額になることもあり)。
一時抹消登録であれば、車両の解体は行わず、あくまで書類上の手続きのみですので、自分で行うことはさほど難しくありません。
代行費用を浮かせたい場合、一時抹消登録であれば自分で挑戦してみるのもアリでしょう。
また、いずれ一時抹消登録した車を再び使用する場合には、車検を付けて運輸支局の窓口で中古車新規登録の手続きが必要となります。
永久抹消登録は廃車買取業者に依頼すると楽
永久抹消登録の場合は、車両を解体しなければなりません。
解体のため、解体業者とのやりとりが発生しますので、慣れていないと少々手間がかかります。
また、解体の報告を受けてから15日以内に永久抹消登録を行う必要があるため、時間に余裕のない方などには不向きです。
このため永久抹消登録の場合、忙しい人、慣れておらず不安な人などは、無理に自分で行おうとせず、専門の業者に依頼してしまったほうが確実です。
なお、業者に永久抹消登録を依頼する場合は、「廃車買取業者」を利用するのがおすすめです。
廃車買取業者は廃車を再利用する体制をもっているため、解体に出すような車であっても「買取」した上で永久抹消登録の手続きを進めてくれます。
つまり、永久抹消登録を行う一環で、買取額分の収入が得られることになります。
また、一般的な解体業者などに依頼すると、スクラップ費用が20,000円~30,000円程度、運送費用(レッカー代)が5,000円~30,000円程度掛かることがありますが、廃車買取業者ではこういった費用を無料としていますので、余計な費用は掛りません。
廃車買取の『タウ』でも永久抹消登録の代行を承っており、スクラップ費用や運送費用なども無料とさせて頂いております。
廃車に関するご相談なども受け付けておりますので、ご不明点などあればお気軽にお問い合わせください。