エンジンの故障と一口に言っても、故障の原因や度合いはさまざまです。
原因などによって修理費用や修理にかかる時間は大きく異なります。
当記事では、エンジンの故障原因や対処法、かかる時間や費用などについて解説します。
エンジン故障の修理費用は、最悪の場合100万円を超えてしまうケースもあります。
当記事を読んで、「自身の場合はどのくらいかかるのか」という目安をあらかじめチェックしましょう。
エンジンが故障して困っている方は、ぜひお読みください。
エンジンが故障したかも?と思ったら!原因と対処法
「エンジンが故障したかも」と思ったら、まずはどのような症状がみられるかをチェックしてみてください。
車に起きている症状を確認することで、エンジン故障の原因を突き止めることができます。
エンジンが故障する主な原因は、以下の2つです。
- ラジエーターの故障によるオーバーヒート
- オイル漏れ
それぞれの症状の特徴や修理費用、修理にかかる時間は以下の通りです。
ラジエーターの故障によるオーバーヒート
症状の特徴 | アクセルを踏んだ時に聞きなれない音が鳴る。 エンジンの回転数が不安定になる。 水温計がHまたはCに振れる |
修理費用相場 | 30,000〜80,000円ほど |
修理にかかる時間 | 2~3日ほど(部品による) |
オイル漏れ
症状の特徴 | エンジンルームの真下に液が漏れ出ている。 漏れた液体に焦げたような強い臭いがある。 漏れた液体が濁った黒色や茶色をしている。 漏れた液体に粘度がある。 |
修理費用相場 | 2,000〜6,000円ほど |
修理にかかる時間 | 数時間〜3日ほど |
以下からは、それぞれの故障原因や修理費用・修理期間などについて詳しく解説していきます。
エンジンの故障は基本的に修理工場へ
エンジンが故障した場合、原則まずは修理工場へ行くようにしてください。
エンジンは、車が走る上で特に重要なパーツのひとつです。
しっかりと修理を行わなければ、重大な事故を引き起こす可能性があります。
エンジンの故障は運転手自身で一時的に対処できるケースもありますが、応急処置だけで済ませるとさらなる事故につながるリスクもあります。
応急処置を行った後は、できるだけすぐにプロへ修理を依頼するようにしましょう。
ラジエーターの故障によるエンジンの不調は水温計をチェック
エンジンが故障する原因のひとつとして、「ラジエーターが故障したことでオーバーヒートを引き起こした」というものが考えられます。
オーバーヒートとは、エンジン自体が異常に熱くなった状態のことです。
そしてラジエーターとは、車のエンジンを冷却する装置のことです。
ラジエーターが壊れていると、エンジンが熱くなって焼き付きを起こす危険があります。
ラジエーターが故障してオーバーヒート状態となると、以下のような症状が車に現れます。
- アクセルを踏んだ時に聞きなれない音が鳴る
- エンジンの回転数が不安定になる
- 水温計がHまたはCに振れる
上記のような症状が見られる状態で走行し続けると、エンジンに大きなダメージを与えてしまう危険があります。
まず安全な場所に車を止め、エンジンを停止させてください。
エンジンを止めたら、ラジエーターの中の冷却液の量をチェックしてください。
リザーバータンクに冷却水が溢れたような跡があった場合、ラジエーターキャップに異常がある可能性があります。
また、水温計がCに振れている場合は、ラジエーターがダメージを受けたことで水漏れしている可能性があります。
水漏れしていた場合、冷却水が不足してしまっている状態となります。
取り急ぎ、ミネラルウォーターなどを補充して応急処置を行いましょう。
その後は、ディーラーや修理工場に行って修理してもらってください。
ラジエーターの修理費用は最高80,000円
ラジエーターが原因で起こってしまったオーバーヒートの場合、修理にかかる費用は30,000〜80,000円ほどとなります。
修理費用は、以下のようなさまざまな要素によって増減します。
- ディーラーと修理工場どちらに依頼するか
- 国産車と外車のどちらか
- 純正、社外品、リビルト、中古のどれであるか
- 車種
- 車の排気量
たとえば外車だと、日本ではなかなか見られないような工具で修理を行ったり、日本では見かけないパーツを取り付けたりするケースもあります。
日本にないものを使用する場合、外国から取り寄せなければならないため、おのずと費用は高くなってしまいます。
修理にかかる期間は、2〜3日ほどです。1日で終わらないのは、部品を外部から発注する必要があるためです。
まずは部品を発注し、部品が到着したら交換する、という流れで修理を行います。
逆に部品がすぐに用意できる環境にあれば、半日で済む可能性もあります。
なお、製造が中止されてから15年以上経っているような古い車の場合は、さらに時間がかかることもあります。
古い車は純正パーツが存在せず、どこからも取り寄せられないためです。
取り寄せができない場合は特注で制作してもらうことになるため、2週間以上かかってしまうケースもあります。
オイル漏れが疑われる場合はエンジンルームの真下に液漏れがないか確認
ラジエーターの故障の症状が出ていなければ、オイル漏れを疑いましょう。
オイル漏れとは、エンジンオイルが漏れてしまう現象のことです。
エンジンオイルは、エンジンを冷却したり金属が焼き付きを起こさないようにしたりと、さまざまな役割を持っています。
エンジンオイルが漏れてしまうと、車の各パーツが傷んだり、火が移って車が燃える原因になったりする可能性もあります。
したがって、オイル漏れを見つけたらすぐに対処しなければなりません。
オイル漏れの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 長い期間使いすぎたことでパーツが劣化している
- ボルトが緩んでいる
- 腐食して穴が空いている
以下のような症状が見られた場合、オイル漏れが起きている可能性があります。
- エンジンルームの真下に液が漏れ出ている
- 漏れた液体に焦げたような強い臭いがある
- 漏れた液体が濁った黒色や茶色をしている
- 漏れた液体に粘り気がある
車から液体が漏れていることに気づいたら、まずは液体がどのような特徴を持っているかじっくりと観察してみてください。
液体に色がなく、特に匂いや粘度も感じられない場合は、エアコンが排出した水や排出ガスの水分である可能性があります。
こうした液体であれば、問題は起きていないためご安心ください。
液体の色が黒や茶色ではなく、赤や緑色の場合は、オイルではなく冷却水が漏れ出しています。
冷却水が漏れている場合も、修理が必要です。
匂いを嗅いだ際にガソリンのような匂いがした場合は、ガソリンが漏れています。
ガソリンが漏れている状態でエンジンをかけると、発火する危険があります。
すぐに修理業者やロードサービスへ連絡するようにしてください。
オイル漏れの修理費用は2,000円~6,000円ほど
オイル漏れの修理にかかる費用は、2,000〜6,000円ほどです。
費用は、修理を行う方法によっても大きく異なります。
オイル漏れを修理する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- ディーラーに修理を依頼する
- 車用品専門店に修理を依頼する
- ガソリンスタンドで修理を依頼する
- 自身で応急処置を行う
修理の方法ごとの費用については、以下の表をご参照ください。
依頼先 | 修理費用 |
ディーラーに依頼する | 〜4,000円 |
車用品専門店に依頼する | 3,000~6,000円 |
自身で応急処置を行う | 2,000〜3,000円 |
ディーラーに修理を依頼した場合、4,000円以内で修理してもらえるケースが多くあります。
また車用品専門店に依頼した場合、払うお金はオイル料金のみで済むケースもあります。
この場合にかかる費用は、3,000~6,000円程度です。
オイル漏れは、ガソリンスタンドでも対処してもらえる可能性があります。
ガソリンスタンドの場合、5,000円〜6,000円ほどで修理を依頼できます。
すぐに修理を依頼するのが難しい場合は、まず応急処置を行いましょう。
応急処置をする場合は、エンジンオイルの漏れ止め剤や添加剤を使用します。
漏れ止め剤や添加剤の購入費用は、2,000〜3,000円ほどです。
漏れ止め剤は、シールやパッキンの損傷した場所を塞いでくれるアイテムです。
添加剤は、エンジンオイルに混ぜることでオイルの粘度が上昇し、皮膜効果が発揮されて漏れるのを防いでくれます。
さらに、シール部分の弾力性や伸縮性を高める効果もあります。
なお、シールやパッキン部分が割れていたり、大きく漏れ出したりしている場合は、あまり効果を得られない可能性もあります。
オイル漏れの修理にかかる時間は、数時間〜3日ほどです。
ボルトを締め直すなど、比較的簡単な修理で済む場合は、数時間で完了するケースもあります。
対して、エンジンを組み直したり、パーツの交換を行ったりする必要がある場合は、1〜3日ほどかかります。
故障の度合い、原因によって修理の内容は変わるので注意
どのくらい故障しているかや、故障している原因によっても修理の内容は大きく変わります。
先ほど、ラジエーターの故障によるオーバーヒートの修理費用は30,000〜80,000円ほどだと説明しました。
しかし30,000〜80,000円という相場は、パーツの交換を行った場合です。
パーツを交換せず破損した部分を溶接して塞げば、10,000円〜25,000円ほどで済ませられる場合もあります。
なお多くの場合は、交換が必要になるケースがほとんどです。
エンジン載せ替えが必要な場合は最悪100万円を超えてしまうことも
また、載せ替えを行うか否かによっても金額は変わってきます。
載せ替えとは、壊れたエンジンを車から取り外し、新たなエンジンに交換することです。
エンジンパーツ単体のみを直した場合は、それなりの値段で済むケースもあります。
しかし完全に載せ替えを行うのであれば、ほとんどの場合、高額な費用が発生することとなります。
エンジンを交換するとなるとたくさんのパーツを取り外すことになる上、エンジン本体の価格も高いためです。
載せ替えの場合、中古エンジンであれば100万円ほどかかります。
新品を使用する場合は、150万円以上するケースもあります。
聞きなれない音、嗅ぎなれない臭いがしたら要注意
エンジンは突然故障するのではなく、何かしらの前兆が見られるケースがほとんどです。
どのような前兆があるのかを知っておくことで、エンジントラブルを早期に発見できる可能性が高まります。
エンジントラブルの前兆として特に注目すべきなのは、聞き取れない音や嗅ぎ慣れない匂いです。
具体的には、以下のような音・匂いに注目しましょう。
エンジンから燃えるような匂いがする
走行中に何かが燃えているような匂いがしたら、注意してください。
エンジンオイルが燃えていたり、エンジンが破損していたりする可能性があります。
また、わずかに甘いような匂いがした場合も注意が必要です。
甘い匂いがするということは、冷却水が漏れ出ている可能性があります。
エンジンから異音が聞こえる
エンジンから、いつも聞いている走行音とは違う音が聞こえてきたら注意しましょう。
なお場合によっては、遮音性が高かったり音楽を流していたりするという理由で、エンジンの異音に気付きにくいケースもあります。
1ヶ月に1回は、音楽を止めてエンジンの音に集中しながら走行するようにしてみてください。
音や匂い以外の前兆としては、以下のようなものが挙げられます。
マフラーから白煙が出てくる
マフラーからたくさんの白煙が出てくる場合、エンジンオイルがガソリンと一緒に燃えている可能性があります。
冬は白い水蒸気が出てくるため、水蒸気を白煙と見間違うケースもあるでしょう。
エンジンオイルの燃焼による白煙は、白い水蒸気よりも消えにくいという特徴があるため、判別の参考にしてみてください。
エンジンのパワーが弱くなったと感じる
坂道を登る際にアクセルを強く踏まないと進めなかったり、シフトダウンする機会が増えたと感じたりした場合、エンジンのパワーが弱まっている可能性があります。
エンジンパワーが弱くなっている場合、エンジンが深刻なダメージを受けているケースがあります。
放置するとますますパワーが弱まっていき、やがて走れなくなるリスクもあるため、早めに点検を受けましょう。
まとめエンジントラブルは早期発見が大切(まとめ)
最後に内容をおさらいします。
エンジントラブルは、早めに発見するようにしましょう。
早く見つければダメージが少ないうちに修理が行えるため、修理にかかる費用や時間も減らせる可能性が高まります。
また、エンジントラブルの発見が遅れると、車が燃えてしまったり、走行中にいきなり走れなくなったりするといった最悪の事態につながる可能性もあります。
大切な愛車を守り、持ち主自身の安全を確保するためにも、エンジントラブルの前兆が見られないか定期的にチェックを行うことをおすすめします。
また、エンジンの修理費用は故障具合によりますが、エンジン載せ替えが必要な場合は最悪100万円を超えてしまうこともあります。
そのような場合は、車を手放して乗り換えた方が経済的です。
エンジンに重度な故障がある場合は、ディーラーや中古車買取業者では買取額がつかないことが多く、逆に引き取り費用を取られることも。
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