隣の車や壁にぶつけてしまったり、縁石にこすってしまったりと、車のドアに傷を負ってしまうシーンは多々あります。
傷を放置していると、見た目の印象が悪くなるだけでなく、ボディが錆びたり、穴が空いたりすることにもつながりかねません。
車のドアに傷ができた場合、修理または交換を行う必要が出てきます。
「修理にかかる費用はどのくらいなのか」「修理すべきなのか交換すべきなのか」といったことは、ドアにできた傷の具合などによっても変わります。
当記事では、車のドア周りの修理にかかる費用の相場や、ドアを交換するかの判断基準などについて解説します。
ドア交換の費用が高い理由や安く済ませる方法についても紹介しますので、ドアに傷ができて困っている方はぜひお読みください。
車のドア周りの修理にかかる費用は最低1,000円、最高30万円
車のドア周りにできた傷の度合いと修理費用、修理にかかる期間については、以下の表のとおりです。
費用 | 期間 | |
ひっかき傷 | 1,000〜40,000円程度 | 1〜2日程度 |
小さなへこみ | 20,000〜50,000円程度 | 3〜7日程度 |
重度の破損 | 10万〜30万円程度 | 7日〜 |
ひっかき傷は1,000〜40,000円程度で修復できる
軽いひっかき傷レベルであれば、タッチペンで自ら傷を目立たなくすることもできます。
タッチペンとは、車にできた傷や塗装はげを目立たなくできるペンのことです。
カー用品店などに市販されているため、ドライバーの方が自分で購入して簡単に使用することができます。
多くの場合、プロに依頼した時よりもクオリティは下がってしまいますが、1,000円前後と安い値段で修理することができます。
ただし「ペンで塗る」という性質上、大きなへこみや深いダメージを受けた箇所を修復するのは困難です。
塗装スプレーでも修復可能!
タッチペンのほかには、塗装スプレーという選択肢もあります。
塗装スプレーとは、タッチペンと同じく車のボディにかけることで傷を目立たなくできるスプレーのことです。
スプレーはボディに広く吹き付けられるため、タッチペンでは修復が難しい大きな傷も補修しやすくなります。
一方で、広範囲に吹き付けるというスプレーの性質上、小さな傷を修復するのにはあまり向いていません。
そのほか、塗装面の下の層にまで及ぶような大きな傷の場合も、修理の必要があるため、スプレーでは修復が難しくなります。
塗装スプレーの相場は、2,000円前後です。
タッチペンや塗装スプレーでの修復にかかる時間はメーカーによっても異なりますが、研磨も行うのであれば最低でも1日は乾燥させる必要があります。
短くても、30分は乾燥させましょう。
重ね塗りを行った場合は、2週間ほどじっくりと乾燥させるのがベストです。
自身がない場合はプロに依頼する
うまく修復できる自信が無い方やよりしっかりと修復したい方は、プロに依頼することをおすすめします。
プロに修復を依頼する場合にかかる費用は、20,000円〜40,000円前後です。また、2〜4日程度の時間がかかります。
時間やお金は自分で修復するよりも多くかかってしまいますが、より確実に修復したい方にはおすすめの方法です。
へこみ傷の修復にかかる費用は20,000〜50,000円程度
次に挙げられるキズは、へこみキズです。
ドアにへこみ傷ができる原因として最も多いのは、ドアパンチです。
ドアパンチとは、駐車中に車のドアを隣の車にぶつけてしまうことを指します。
車のドアは、中にある配線や部品の都合上、隙間が多い構造となっています。
したがって、些細な衝撃を受けただけですぐにへこんでしまうようにできています。
ひっかき傷レベルであれば、タッチペンや塗装スプレーによって自分で対応することもできます。
しかし、へこみが大きい場合は中の配線までダメになってしまっている可能性があります。
放っておくと事故を引き起こす原因になる可能性もありますので、プロの手を借りて修理を行うことを強くおすすめします。
プロに修理を依頼した際にかかる費用は、20,000円〜50,000円程度です。
また、3〜7日程度の時間がかかります。
なお、上記の費用や期間はへこみの度合いによっても異なります。
自分の場合はどのくらいなのか知るためにも、まずは一度業者に相談してみることをおすすめします。
その他の場所が損傷してる場合の修理費用は「事故車の修理代はどれぐらい?修理費の相場と費用が高額になる理由」をご覧ください。
ドアを交換するかどうかの判断基準
ドアが大きく歪んでしまった場合、修理するだけでは対応できないケースもあります。
修理が行えない場合は、ドア自体を交換することになります。
ドアを交換するかどうかの判断基準は、
- 『ドアを修理する費用』が『ドアを交換する費用』を超えるか
- 『板金修理ができるかどうか』
です。
修理するよりも交換した方が安く済む場合、ドアを新しいものに交換することになります。
また、板金修理が行えない場合は交換が必要となります。
板金修理については、後ほど詳しく解説します。
なお、交換の基準は業者によって異なります。
「あちらの業者では交換するように言われたが、こちらでは修理できると言われた」というケースは少なくありません。
交換の判断に納得が行かないと感じた場合は、複数の会社から見積もりをもらって比較検討することをおすすめします。
ドアの交換にかかる費用は、10万〜30万円程度です。
国産車の場合は約10万円〜、外車であれば約30万円〜かかることになります。
1週間を超える長い修理期間が発生するケースがほとんどのため、スケジュールに余裕を持って依頼するようにしましょう。
板金修理ができない場合、交換になることが多い
板金修理ができない場合、修理で対応するのが困難となるため、ドアを交換する必要が出てきます。
板金修理ができない具体的な例としては、以下の3つが挙げられます。
- へこみが大きく板金修理が不可な場合
- ドアの素材がアルミやカーボンの場合
- 交通事故で一方的にぶつけられた場合
へこみが大きく板金修理が不可な場合
修理が困難なほどの大きなへこみができてしまった場合、必然的にドアを交換する必要が出てきます。
また、へこみ自体はそう大きくなくても、傷がついた場所によっては車の内部に致命傷を及ぼしている可能性があります。
この場合も、修理では対応できなくなるため交換が必要となります。
「へこみがどこにどの程度できていれば交換が必要となるのか」は、一般的なドライバーには判断が難しいポイントです。
したがって、小さなへこみでも油断せず業者に判断してもらうことをおすすめします。
ドアの素材がアルミやカーボンの場合
ドアの素材が理由で交換になるケースもあります。
アルミやカーボンでできたドアは板金修理が行えないため、多くの場合交換が必要となります。
交通事故で一方的にぶつけられた場合
交通事故に遭って一方的にぶつけられた場合も、ほとんどの場合交換が必要となります。
ぶつけられて車が大きな衝撃を受けた場合、「ドア自体はそこまで大きくダメージを受けていないが、内部が大きく傷ついてしまった」という状態になることもあるためです。
交通事故に遭った場合は、そこまで大きくへこんでいなかったとしても交換しておくのが安心です。
一方的に自身が被害者である場合は、保険金を利用して修理を行うこともできます。
そのため、比較的費用面での負担を抑えて交換できるでしょう。
ドアの交換費用が高額になる理由
ドアの交換に数十万円かかると聞いて、ハードルが高いと感じた方も多いでしょう。
ではそもそも、何故ドアの交換にはこんなにも高額な費用がかかるのでしょうか。
理由は、作業を行う上での工賃が高いためです。
実のところ、ドアの交換費用はパーツ代ではなく、作業を行う上での工賃がほとんどを占めています。
ドアを修理すると聞くと、「ドアを外してはめ込むだけ」という単純な作業を想像する方も少なくないでしょう。
しかし実際のところ、ドアを修理する上では多くの細かな作業が発生します。
行うためには専門的な技術力が必要となる上、複雑な作業をいくつもこなさねばなりません。
その上、前述の通りドアの交換には1週間を超える長い時間がかかります。
限られた人しかできず実施する苦労も大きいことから、高めの費用が設定されているのです。
ドアの交換費用を安くする2つの方法
ドアの交換費用が高いのには理由があります。
しかし、やはりできることならば安く済ませたいという方がほとんどでしょう。
実はある方法を利用すれば、ドアの交換にかかる費用を従来よりも安く済ませることができます。
安く済ませる具体的な方法は、以下の2つです。
- 板金塗装業者に直接持ち込む
- 複数の業者で見積もりをとる
板金塗装業者に直接持ち込む
板金塗装業者に直接持ち込めば、整備工場などの一般的な業者よりも安く済ませられる可能性が高まります。
たとえばディーラーにドアの修理を依頼した場合、外注費が上乗せされるため、塗装業者よりも高くつきやすくなります。
というのも、ディーラーはほとんどの場合、自身の会社内でドア交換を行うことができません。
そのため、ディーラーはドア交換の依頼が来た際、板金塗装業者に外注しています。
外注費用を余分に取られるため、結果的にドライバー側の払う費用は高くなってしまいます。
しかしドライバー側が最初から板金塗装業者に持ち込めば、外注費は発生しません。
交換にかかる費用だけを取られることになるため、お得に済ませることができます。
複数の業者で見積もりをとる
ドアの交換にかかる費用は、すべての業者で統一されているわけではありません。
行う修理の内容や「交換するか修理するか」の判断基準は、業者によっても大きく異なります。
少しでも得な選択肢を選ぶためにも、必ず複数の業者に見積もりを取るようにしましょう。
判断基準や修理内容だけでなく、仕事のクオリティも業者によって異なります。
一つ一つの修理や交換を丁寧に行う業者もいれば、適当な仕事で済ませてしまう業者がいるのも事実です。
傷が小さいからといって放置はダメ!
小さな傷をそのままにしておくと、ボディの表面にある撥水効果が落ちてきたり、塗装が剥がれてきたりすることにつながります。
塗装が剥がれると、表面が腐食してきたり錆びてきたりすることにも繋がりかねません。
上記の通り、傷を放置することで発生するリスクは見た目に関することだけではありません。
傷を修復しないことで、車が持つ保護機能が発揮できなくなっていくリスクもあります。
愛車に傷ができた際は、早めに対処するようにしましょう。
傷を修復するのにかかる費用は、1,000円〜30万円と大きな幅があります。
また、修理にかかる期間もまばらです。
タッチペンや塗装スプレーで済めば30分で完了できますが、重度の破損によってドアを交換する場合は7日以上かかることもあります。
まずは傷の度合いがどの程度なのかを確かめ、直すためにはどうすれば良いかの適切な判断を行いましょう。
傷が小さくても、損傷した箇所によっては内部に大きなダメージを負っているケースがあります。
内部にダメージを抱えたまま走行を続けると、事故やさらなる故障の元になる可能性もあります。
「傷が小さいから大丈夫」と自己判断で安心しきってしまうのは危険です。
傷ができた際は、できる限り業者に相談してみることをおすすめします。
ドア交換が高額になる場合は車を手放す選択肢も
ドアの交換は、修理よりも多くのお金がかかってしまいます。
ドア交換は膨大な作業が必要となる上、限られた専門知識を持つ人しか行えないため、工賃が高めに設定されているからです。
板金塗装業者に直接持ち込んだり、複数の業者を比較検討したりすることで、安く交換できる可能性が高まります。
もし、業者に相みつを取ってもドア交換が高額になる場合は車を手放すのも1つの手段です。
売却先としては、下記の3つがあります。
- ディーラー
- 中古車買取業者
- 事故車買取業者
ただディーラーや中古車買取業者の場合、販路の兼ね合いから上の理由から、ドアに大きな損傷がある車は納得いく価格で買い取ってもらえる可能性は低くなります。
ドアに大きな傷がある車や事故車などは、専門に買取している業者に任せるのが良いです。
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