故人の古い車を処分したい
車検切れで放置している車を処分したい
長年乗っていないボロボロの車をどうにかしたいなど
使わなくなったクルマの処分に困っている方もいらっしゃるかと思います。
車を売るのには、「中古車買取業者で売る」や「ディーラーに下取りに出す」は、多くの方が思いつくルートです。
実はその他にも廃車専門の「廃車買取業者」に売却したり、オークションやガソリンスタンド経由で売る方法もあります。
ある業者では値段がつかなかったボロボロになったクルマであっても、依頼する業者を変えることで思わぬ買取価格をつけてもらえることも。
そこで今回は、不要になった車の処分方法を多角的に解説していきます。目線を広げ、最適な処分方法を選ぶことができれば、手元により多くのお金を残すことができるはずです。
車を処分する5つの方法【メリット・デメリット】
前述したように不要になった車を処分する代表的な方法として、以下の5つがあげられます。
- 中古車買取業者に売る
- 廃車買取業者に売る
- ディーラーに下取りに出す
- オークションに出す
- ガソリンスタンドで処分する
それぞれの業者でサービスの形態もかわりますので、メリット、デメリットがあります。
以降では、それぞれのルートの特徴を解説していきます。
中古車買取業者に売る
中古車買取業者に対して「中古車」として売却し、買取ってもらう方法です。
中古車買取業者は、その道のプロのため市場価格に精通しており、中古車の価値を良くも悪くもあらゆる視点から厳しくチェックします。
言い方をかえれば、「年式が新しい」、「走行距離が少ない」などで価値の見込める車であれば、その価値を正当に評価してもらえ、他の業者より高く買取ってもらえることを意味します。
さらにもう一つ、実は中古車販売業者の中にも「廃車の買取サービス」を行っている業者があり、部品取りなどの目的で、廃車間近の状態が酷い車であっても買取って貰えることもあります。
ただし、中古車販売業者で廃車買取してもらう場合、1万円前後の手続き費用が発生することがありますので、仮に買取査定額が微々たる値段にしかならなかった場合、手続き費用分でマイナスとなってしまうことがあります。
- 中古車買取業者に売るメリット:価値の見込める車であれば、他の業者で処分するよりも高い査定が期待できる
- 中古車買取業者に売るデメリット:価値の低い車の場合、査定額も低くなりやすい
廃車として買取してもらうことも可能だが、1万円前後の手続き費用が発生する
廃車買取業者に売る
「廃車買取業者」は廃車買取を専門とする業者であり、独自の再利用の販路をもつため、廃車となるような車を、処分ではなく「買取」してくれます。
車検切れや外装がボロボロになった車両はもちろんのこと、事故車、不動車、水没車など、あらゆる車が対象です。
基本的にはどんな車でも買取ってくれ、買取であるため少なくとも1円以上の値段が付きます。
また前述した中古車買取業者では、廃車買取時に1万円程度の手続き費用が発生することがありますが、廃車買取業者の場合はそのような余計な費用は発生せず、手続き費用や手数料は無料が基本です。
当然、引き取り時のレッカー費用、解体費用なども無料です。
したがって、どんなに査定額が低くとも、出費がマイナスとなることはありません。
- 廃車買取業者に売るメリット:どんなに状態が酷く、価値の低い車でも買取ってもらえる
レッカー費用、解体費用、手続き費用など余計な費用は発生しない
車を持ち込む必要がなく、電話だけで査定額が出る - 廃車買取業者に売るデメリット:まだ価値の見込める車であれば、廃車買取業者に売るのはもったいない(価値の見込める車は中古車買取業者に持ち込んだほうが査定額が高くなりやすい)
ディーラーに下取りに出す
新車ディーラーに、不要になった車を「下取り」として引き取ってもらい、処分する方法です。
この方法は大前提として、下取りをしてもらったディーラーで、次に乗る新しい車を購入するのが条件です。
一般的に、新しい車の購入費用から、下取り価格分が差し引かれる形となります。
新車販売では、値引き交渉がただでさえ当たり前のように行われており、営業マン側もある程度は値引きの余地を用意しています。
値引き材料として下取りの車があることは大いに使えるため、本来であれば値が付かないような下取り車であっても、新車の購入費用から値引くという形であれば、結果的に10万円、20万円とよい額が提示される事もあります。
- ディーラーに売るメリット:
価値の低い車であっても、新車購入費用から差し引く形であれば、他の業者より高く査定して貰えることがある - ディーラーに売るデメリット:
条件として、そのディーラーで次に乗る新車を購入する必要がある
オークションに出す
インターネットオークションなどを利用し、競売形式で次のオーナーに対して車を直接販売する方法です。
たとえば大手オークションサイトの「ヤフオク!」でも、自動車やバイクなどの個人販売が行えます。
特に出品物の制限はないため、廃車間近のボロボロな車であっても出品できます。
もしくは、それぞれのパーツをばらし、ドア、ボンネット、ミラー、オーディオなどパーツ単位で販売することもできます。
オークション形式のため、需要のある車であればどんどんと価格が上がり、想定した以上の価格で売れることもあります。
個人と個人の売買となるため、本来であれば間に入る業者へのマージンも発生せず、費用はオークションサイトのシステム利用料のみである点もメリットです。
難点として自動車をオークションに出品する場合、車両の輸送や名義変更などの作業が発生するため、初心者には難しい部分も多いです。
オークション代行のサービスもありますが、そういったものを利用すれば、別途費用が発生してしまいます。
- オークションに出すメリット:オークション形式のため、車によっては天井知らずの高値が付くこともある
個人売買のため業者へのマージンが発生せず、その分お得 - オークションに出すデメリット:価値の低い車の場合は買い手すらつかないことがある
手続き等が難しく初心者は手が出しにくい
ガソリンスタンドで処分する
最近はガソリンスタンドにおいて、「1万円廃車」というのぼり旗を出し、廃車処分のサービスを取り扱うお店が増えました。
「1万円廃車」というのは、廃車を処分することで最低1万円がもらえ、かつ処分にかかる手数料は無料というサービスです。
※ただしサービスの詳細は業者により異なる場合もあり
廃車を再販したり、部品を再利用するなどの目的で、このようなサービスが成立しているようです。
- ガソリンスタンドで処分するメリット:「1万円廃車」のサービスであれば、最低でも1万円の定額が貰える
身近なガソリンスタンドで車を処分することができる、給油ついでに相談することも - ガソリンスタンドで処分するデメリット:レッカー代など別途費用が発生する場合がある
まだ価値の見込める車であればガソリンスタンドに売るのはもったいない(ガソリンスタンド経由だと車両価値を十分に評価してもらえないことがある)
【ケース別】処分方法を決める目安
上記のとおり車の処分方法には大きく5つがありますが、その中でどれがベストな手段となるかは、所有している車の状態や、その人の今後の買い替え予定などによっても変わってきます。
ここではケース別のベストな処分方法について解説します。自分の車の状況に照らし合わせ考えてみて下さい。
車検切れや故障が重度な場合は廃車買取業者
以下のような状態が酷い車は、「廃車買取業者」で処分するのがおすすめです。
- 故障が重度
- 事故車
- 水没などで動かせない
- 年式が古い
- 走行距離が多い
など
過度に状態の酷い車は、中古車買取業者やディーラーなどに売りにだしても、そもそも買取ってもらえないことも多いです。
一方、廃車買取業者であれば、「廃車」として扱い、海外への輸出ルートを確保している業者もあるため、「これは売り物にはならないだろう」と思うような車両であっても良い値が付くことがあります(海外では日本ではとても乗れないような車でも需要があるため)。
状態の酷い車こそ、廃車買取業者を積極的に利用したいところです。
高年式や故障が軽度の場合は中古車買取業者
以下のようなまだ価値の見込まれる車は、中古車買取業者へ売却するのがおすすめです。
- 年式がまだ新しい
- 走行距離が少ない
- 事故歴や修復歴など致命的な損傷がない
- 軽自動車やハイブリッドカーなど安定した需要のあるモデル
- スポーツカーや限定販売車のようなプレミア価値のあるモデル
など
たとえば、バッテリーのトラブルなど軽度な故障で動かせなくなってしまったけれど、車両自体は高年式でまだ新しい車であれば、車自体には価値があります。
そういった車は、廃車として扱うのはもったいないので、しっかりと価値を査定してくれる中古車買取業者へ売却するのがおすすめです。
新車に乗り換える予定があるならディーラー
車を処分したあとに別の新車に乗り換える予定がある人であれば、ディーラーがおすすめです。
ディーラーの「下取り」には交換条件的な意味もあり、たとえば状態がひどく、中古車買取業者では売却不能、廃車買取業者でも1~2万円程度にしかならない車両であっても、ディーラーで下取りという形をとれば、その何倍もの査定がつき、新車価格から値引かれることもあります。
下取りは新車を購入する場合にしか利用できないため人を選びますが、その分メリットも大きく、新車を買う予定があるのであれば断然におすすめです。
レアなクラシックカーならオークション
何十年も前に生産されたレアなクラシックカー、生産台数の少ない希少スポーツカーなどは、水面下で強い需要が付いていることがあります。
そういった車であれば、人気次第で価格が天井なく上がっていくオークションがおすすめです。
ネットオークションでは世界中の人が観覧しており、特定のモデルやバージョンに強い愛着や思い入れのある人、お金に余裕のある人が見ていることもあります。
そのため、需要のある車であれば、時には市場価格を大きく無視したとんでもない額で購入を求めてくることもあるのです。
見た目は錆びつき、中身も動かなくなった車両でも、レストアや観賞用目的で高額購入する層もいるため、「普通」ではないレアな車を所持している人は、オークションを活用してみるのがよいでしょう。
家族や友人に譲渡する方法もある
まだ乗れる車であれば、処分して廃車にするのではなく、
家族や友人などに「譲渡」し、再利用してもらう方法もあります。
譲渡であれば、自分は不要になった車を手放すことができ、車を必要としている家族や友人からは無料で車が手に入り喜ばれますので、WIN-WINです。
他人に車を譲渡する場合は、陸運局で名義変更の手続きをして、引き渡す形となります。
車を譲渡する手順(名義変更)
所有している車を第三者に譲渡する場合、以下のような手順を踏むことになります。
- 必要書類を準備する(車庫証明書、 実印および印鑑証明書、 譲渡証明書、 委任状車検証など)
- 新しい所有者の管轄地域の陸運局へ行く(軽自動車の場合は、管轄の軽自動車検査協会にいく、ナンバー変更が発生する場合は車も必要)
- 窓口で手数料納付書・申請書を入手し、手数料分の印紙を購入
- 申請書を作成し手出車検証の交付
- 自動車税、自動車取得税の申告
- 窓口で古いナンバープレートを返却し、新しいナンバープレートを受け取る(管轄地域が変わる場合のみ)
上記の手順を踏むことで、自分で車の名義変更を行うことができます。
もし自分では難しい場合は、名義変更の代行サービスなどを使うこともできますが、業者に依頼した場合、1万円~5万円程度のサービス費用が発生します。
車をなるべく高く売るコツ
不要になった車を処分する際に間違ったやり方をすると、本来貰えるはずの金額が減額されたりすることもあります。
そこで、ここでは車を1円でも高く売るためのコツを解説します。
<h3なるべく早めに売却する>
以下3つの費用に関しては、廃車時に残り期間がある場合、「還付金」として返ってきます。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険
還付金を多くもらうためにも、不要な車は早めに処分したいところ。
なおここでポイントとなるのは、還付金の残り期間は、日割ではなく月割で計算される点です。
たとえば1,600ccの普通自動車を廃車手続きした場合、自動車税の還付金は11月末と12月1日で以下のように変動します。
11月末に完了→自動車税の還付は13,100円
12月1日に完了→自動車税の還付は9,800円
このように還付金は月単位で変動するため、月が変わらないうちに処分した方がお得なのです。
車両情報を正確に伝える
車検切れや故障で動かせなくなった車は、持ち込めず実車査定ができないため、電話だけで査定する場合もあります。
電話査定の場合、業者側もリスクがあるため、情報が少ないと値段がつけにくい事情があります。
このため電話査定時には、車検証を手元に用意し、買取業者が必要としている車両情報を正確に抜けなく伝える必要があります。
もし、伝えた情報に間違いや嘘があった場合、のちのち査定額から減額されることもありますので、必ず正しい情報を伝えましょう。
数社から相みつを取る
車を売却する場合は、1社だけでなく複数の業者から相みつ(相見積もり)を取るのが定番のテクニックです。
業者によって査定の眼も変わりますので、まったく同じ車両であってもA社の査定では
10万円、B社の査定では30万円といったように、20万円以上差が開くこともあります。
また、競合他社の見積りを提示することで、それより高い査定額に引き上げてくれるケースもあります。
ほとんどの買取業者は、見積や査定を無料で行っていますので、交渉材料とする上でも複数社から相みつを取っておくのが効果的です。
廃車売却時は悪徳買取業者に要注意!優良企業との見極め方の記事をご参照いただけると、複数社に依頼をする際に悪徳業者を避けることができるでしょう。
車を所有しているだけでも自動車税はかかる
ご存じない方や勘違いしている方もいますが、たとえ車検が切れて乗らなくなった車であっても自動車税の納税義務があります。
「自動車税」とは、車の所有者に対して毎年課税される地方税です。
そのため車検の有無などは関係なく、不動車であっても、車を「所有」している以上は毎年支払い義務があります。
自動車税の支払いから逃れるためにも、不要になった車は保管しておくのではなく早めに処分するほうが賢明です。
なお、「自動車重量税」に関しては、車検の度に発生するものであり、車検を通さない車であれば支払い義務はなく、「自賠責保険」に関しても、車検を通さず公道を走らない車であれば保険は不要であり支払い義務はありません。
自動車税を滞納している場合は廃車や売却できない
車の売却時に注意したい点として、自動車税を滞納してしまっている車の場合は、基本的に買取してくれません。
というのも車の売却時には、自動車税を収めたことを証明する「納税証明書」が必要になるため、未納や滞納している車両は必然的に売却ができなくなります。
中小の買取業者などの中には、滞納している車であっても買取ってくれるケースもあるようですが、その場合でも「未納分を査定額から引かれる」、「後日未納分は別途請求される」などの対応を取られることになります。
また自動車税は滞納すると遅延金が発生することもあり、時間がたつほど不利になります。
納付期限が過ぎても未納分を納税することは可能ですので、未納がある場合はできるだけ早く支払いたいところです。
まとめ
以上、不要になった車の処分方法を解説しました。
今回解説したように、ボロボロになった車や動かなくなった車でもさまざまな処分ルートがあります。
不要になった車を売らずに放置しておくと、自動車税等が維持費として発生しますので、できるだけ早いうちに処分や売却を検討したいところです。
また記事内でも触れましたが、年式の古い車や、傷や故障の多い車を処分する場合は、その道のプロである「廃車買取業者」に売却したほうが高く売れることが多いです。
当サイト『廃車買取のタウ』でも、廃車買取を実施しています。
事故車、不動車、故障車、水没車などどんな車でも買取できます。
海外への輸出ネットワークが豊富にあるため他社よりも買取価格をつけることも可能、
また、廃車にかかるレッカー費用や解体費用、手続き費用などもすべて無料です。
相談や査定だけでも大歓迎ですので、車を処分したい場合はぜひ一度お気軽にご相談ください。