ボンネットは、少しの衝撃で大きな損傷を受けやすいパーツのひとつです。
歩行者とぶつかったとき、ボンネットで衝撃を吸収しやすいようあえて折れ曲がりやすい構造となっているためです。
ボンネットは車の正面にあるパーツであるため、傷があると大きく目立ってしまいます。
また、修理をせずに放置していると、サビが進行したり、中のエンジンやバッテリーに影響を与えたりするリスクもあります。
ボンネットに大きな損傷を負ってしまった場合は、交換を行うことをおすすめします。
とはいえボンネットを交換するとなると、
- 修理費用はいくらくらいかかるのか?
- 安く交換する方法はないのか?
などと疑問はたくさん出てくるでしょう。
そこで今回は、ボンネットの交換にかかる費用や、出費を抑える方法について解説していきます。
ボンネットの交換の工賃自体は高額ではない
ボンネット交換をプロに依頼すると聞くと、「大きな費用が発生するのではないか」と不安を感じるはずです。
しかし実際のところ、自分で行うのとプロに依頼するのでは、値段にそこまで大きな差が出るわけではありません。
プロに依頼した時と自分で交換を行った時それぞれの特徴については、以下を参照してください。
費用 | スピード | 技術 | |
業者 | 3,000円〜10,000円+パーツ代(40,000円前後) | 1週間~1ヵ月 | ◎ |
自分で | パーツ代(40,000円前後) | 1時間 | △
(知識があれば〇) |
自分でボンネットの交換を実施した場合、払うお金は基本的にパーツ代のみとなります。
一方でプロに依頼した場合、作業を行ってもらう上での工賃が発生します。
先ほどの通りそこまで高額ではありませんが、少しでも費用を抑えたいという方は注意が必要です。
ディーラーにボンネット交換の修理を依頼する場合は高額に
また、依頼する場所が整備工場などではなくディーラーの場合は、さらに多くの費用が発生するケースもあります。
その理由は、ディーラーという業種の性質にあります。
ディーラーはあくまでも自動車の販売を本業としており、修理や交換は行っていないケースも多くあります。
したがって自動車のパーツ交換を行っていないディーラーに依頼した場合、ディーラー側で下請けの工場に作業が委託されます。
ディーラーに委託してもらった場合、工場への仲介手数料がプラスで発生する可能性があります。
工賃や部品代以外の出費が増えるため、安く済ませたい方は十分にご注意ください。
ボンネット交換にかかる時間
業者にボンネットの交換を依頼した場合にかかる期間は、3〜5日程度です。
ボンネットの交換を行ってもらう場合、まずは部品を手配してもらう必要があります。
部品の手配には、2〜4日程度かかります。
さらにそこから、ボンネットに塗装を行ったり取り付けを行ったりするため、プラスで1日程度かかります。
また、依頼した場所がディーラーの場合はさらに時間がかかるケースもあります。
先ほどの通り、ディーラーは自動車の修理・交換の依頼が来た場合、ほかの工場に仕事を委託しているケースがほとんどです。
その場ですぐに作業を始めず、委託を行うとなると、作業を始めるまでに時間がかかってしまいます。
こうした委託の時間も含めると、7日以上かかってしまうケースもあります。
また業者に依頼した場合、業者の多忙度合いによってはなかなか作業に取り掛かってもらえないケースもあります。
業者が作業を始めるまでにかかる時間が長ければ長いほど、交換にかかる時間も長引くため、注意が必要です。
一方で自分で交換を実施する場合は、行いたいと思った時にすぐ始められます。
作業にかかる時間は、車の整備にどの程度慣れているかにもよります。慣れている方であれば、1時間程度で終わらせられるでしょう。
プロに頼めばまず失敗しないが工賃はかかる
プロは、素人よりも高い技術力を持っています。したがって、プロに交換を依頼すればほとんどの場合失敗することがありません。
しかしその代わりに、作業をしてもらうための工賃が余分に発生してしまいます。
プロにボンネットの交換を任せた際にかかる費用は、およそ3,000円〜10,000円+パーツ代です。
数ある車の修理作業や交換作業に比べると、費用は抑えめとなっています。
ボンネットの交換を依頼できる主な業者としては、整備工場やディーラーなどが挙げられます。
ディーラーに依頼した場合
前述の通り、ディーラーに依頼した場合は仲介手数料が余分にプラスされるケースもあるため注意しましょう。
ディーラーはメーカーと契約を結んだ正規の販売店であるため、信頼性が高いというメリットを持っています。
修理を依頼した場合、そのメーカーに詳しい整備士が車種に合わせた適切な対処を行ってくれるため、安心して修理を任せられます。
修理する上で使うパーツは純正品を用いることになるため、パーツ代が高くなりやすい点には注意が必要です。
整備工場に依頼した場合
整備工場の場合は、純正品以外のパーツも使用しながら修理を行っていきます。
純正でない社外品は比較的費用を抑えやすいため、パーツ代も抑えめになるケースがほとんどです。
整備工場のデメリットは、工場によってサービスや技術力に差があるという点です。
職人によっては、得意不得意があったり、あまり丁寧に交換を行ってもらえなかったりするケースもあります。
「サービスに問題はないか」「金額は適切か」といったことをしっかりと見極めるためにも、整備工場に依頼する際は複数の工場を回ってみることをおすすめします。
どちらも長年車の整備を行ってきたプロが在籍しているため、素人が交換を行うよりも大きな安心感を持って任せられるでしょう。
ボンネットの交換は比較的行いやすい作業ですが、失敗する可能性もゼロではありません。
自分で行った結果失敗してしまうと、さらなる故障を引き起こしたり、それによって事故が起きたりするリスクもあります。
故障や修理が起きたことで修理費用が余計にかさんでしまっては、元も子もありません。
安全性を優先したいという方や、交換に自信がないという方は、プロに任せた方が無難だと言えるでしょう。
車の整備に慣れているなら自分で交換もアリ
ボンネットは、絶対に自分では交換できないというようなパーツではありません。
他の修理作業や交換作業に比べると、比較的簡単に交換しやすいパーツだといえます。
車の整備に関する豊富な経験を持っている方や、車の構造に詳しい方は、プロに依頼せず自分で交換することを検討してみるのも良いでしょう。
自分でボンネットの交換が行えれば、業者に行ってもらう際にかかる工賃を浮かせることができます。
払う料金はパーツ代だけで済むため、とにかく節約したいという方にとってはうってつけの方法です。
車の整備に慣れている人であれば1人でも交換できますが、慣れていない人は念のため2人以上で行うことをおすすめします。
2人でボンネット交換を行うことで、不明点があった際に知識を補い合えます。それだけでなく、重いボンネットも楽に持ち上げることができます。
3人いれば、さらにスムーズに作業を進められるでしょう。
ボンネットを安く交換するためには重視すべきは部品代
ボンネットの交換を安く済ませたい方は、部品代を重要視するようにしましょう。
部品が安く手に入れば、その分お得にボンネットを交換することができます。
ボンネットは、新品ではなく中古品を使用することをおすすめします。
もし新品のボンネットを使用するとなると、表面を塗る塗装代だけで35,000円〜50,000円という費用が発生してしまうためです。
部品そのものの値段も高く、中古品の2倍近い値段がするケースも往々にしてあります。
中古品と聞くと、「品質に問題があるのでは」と不安になる方も多いでしょう。
しかしプロが仕上げた中古品は、クオリティがほとんど新品と変わりません。
それにも関わらず、新品の半額程度の値段で売られていることもあります。
さらに、自分の車と同じ色のボンネットを見つけることができれば、塗装の作業やそれによる費用が発生しません。
塗装代がかからず、よりお得に済ませることができます。
一番安く抑える方法は『中古品を入手して自分で交換』
ボンネットの交換にかかる費用をできる限り安く抑えたいという方には、中古品を入手して自分で交換するという方法をおすすめします。
ボンネットを自分で交換する際は、まずボンネットを手に入れなければいけません。
近所の中古部品店やヤフオクなどのネットオークションで探してみましょう。
プロに依頼して新品のボンネットに交換する場合、部品代だけでなく、工賃や塗装代といったさまざまな費用が発生します。
しかし同じ色の中古品を使って自分で交換を行った場合、塗装代も工賃も発生しないため、大きく出費を抑えることができます。]
ボンネットを自分で交換する方法
ボンネットを自分で交換したい方は、以下の手順に沿って交換を行うようにしてください。
【1】ボンネットを開く
まずは、ボンネットを開きます。
助手席の方にウォッシャー液が通る「ウィンドウウォッシャーホース」があるため、こちらも切り離しておきましょう。
【2】つっぱり棒を設置する
作業している間にボンネットが落ちてこないよう、つっぱり棒をつけておくことをおすすめします。
【3】ボンネットダンパーを取り外す
左右のボンネットダンパーを外してください。
ボンネットダンパーとは、ボンネットを開けた際に開いた状態をキープするためにあるパーツのことです。
【4】ボルトを外す
ボンネットを固定しているボルトを外していきます。
ボンネットは、フェンダー上部にあるボルトによってヒンジに固定されています。
ヒンジとは、ボンネットを開け閉めする際に役立つ蝶番のようなパーツのことです。
ボンネットのボルトのうち、室内側のボルト2つをひとつずつ外してください。
残された2本のボルトは、手で取れる程度にまでゆるめておきます。
【5】残った2つのボルトを取り外す
つっぱり棒を外してボンネットを下げ、ヒンジのあった場所を垂直に持ち上げて2つのボルトを外します。
するとボンネットが取れるようになるため、古いボンネットを取り外しましょう。
【6】新しいボンネットを装着する
古いボンネットが外れたら、新しいボンネットの装着を行います。
ボンネットの装着は、今までの手順を逆に実施することで行えます。
損傷したボンネットを放っておくと内部まで損傷が及ぶことも
ボンネットの交換にはお金や手間がかかるため、実施を先延ばしにしてしまっている方もいるでしょう。
しかし、損傷したボンネットを放っておくことにはさまざまなリスクがあります。
ボンネットは、車を走行させる上で特に重要となる、バッテリーやエンジンといった数々の重要な装置を収納している場所です。
そしてボンネットは、こうした重要な装置を守るためのカバーとしての役割を持っています。
ボンネットに大きなヘコミができた場合、中にあるバッテリーやエンジンにも悪影響を及ぼしている可能性があります。
この状態で走行を続けると、事故のリスクが上昇してしまいます。
また、小さなダメージであっても油断は禁物です。
放置し続けることで、ダメージを受けた場所からだんだんとサビが進行していくケースもあるためです。
ボンネットに傷を負ってしまった場合は、さらなる故障や事故につながることを防ぐためにも、早めに対処することをおすすめします。
他のパーツの修理費用は「事故車の修理代はどれぐらい?修理費の相場と費用が高額になる理由」をご覧ください。
修理費用がかさむ状態になると手放す選択肢も
もし、ボンネットだけの修理で済むと思っていた場合でも、前述したようにバッテリーやエンジンが影響を受けている場合があります。
その場合は、修理費用が高額になってしまいます。
例えば、エンジンを載せ替えるとなると、最悪100万円以上かかってしまうことも。
もし、ボンネット以外の修理も必要になった場合は、修理するよりも車を手放して乗り換える方が経済的です。
では、どこで車を売れば良いでしょうか?
車を売却する際に真っ先に思いつくのがディーラーや中古車買取業者です。
ですが、故障度合いが激しい車は、ディーラーや中古車買取業者で販路の兼ね合いから値段がつかないことが多いです。
そんな時は故障車を高く買い取っている専門業者に売却するのがおすすめです。
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