車のバッテリーが上がると、その場から動けなくなってしまいます。
「突然バッテリー上がりになったら」と考えると、大きな不安を感じる方も多いでしょう。
バッテリー上がりは、いつ起こるかわかりません。
現在バッテリー上がりに困っていなかったとしても、いざという時のために直し方を知っておくことを強くおすすめします。
当記事では車のバッテリーが上がった際の
- 具体的な直し方
- やってはいけないこと
- バッテリー上がりが起こる理由
- バッテリー上がりを起こさないための予防策
について解説します。
バッテリー上がりを直したい方、バッテリー上がりをあらかじめ防止したいと考えている方は、ぜひお読みください。
「バッテリー上がりに心当たりがないのに車が動かない…!」という方は車が動かない!5つのチェック項目とエンジンがかからない7つの原因の記事も併せてご覧ください。
バッテリー上がりの具体的な直し方は3つ
バッテリーが上がってしまった場合、具体的な直し方としては以下の3つが挙げられます。
- ジャンピングスタート
- ジャンプスターター
- ロードサービスやJAFなどのプロに頼る
それぞれの概要については、以下で詳しく解説していきます。
スピードならジャンピングスタート、確実さ重視ならロードサービスがおすすめ
ジャンピングスタート、ジャンプスターター、ロードサービスそれぞれのかかる時間と費用については、以下の表の通りです。
時間 | 費用 | |
ジャンピングスタート | 5分 | ¥1,000〜¥2,000 |
ジャンプスターター | 20分 | ¥3,000〜¥10,000 |
ロードサービス | 30分~1時間 | 無料〜¥10,000 |
スピードを重視するのであれば、ジャンピングスタートがおすすめです。ジャンピングスタートの場合、5分ほど充電し続ければ走行できるようになります。
対して確実さを重視するのであれば、ロードサービスを呼ぶことをおすすめします。プロのスタッフが駆けつけてくれるため、初心者でも安心して任せられるでしょう。
ジャンピングスタートのやり方
ジャンピングスタートとは、他の車のバッテリーから電力を一時的に分けてもらい、エンジンを動かす方法のことです。
具体的には、バッテリーが上がってしまった車と他の車のバッテリーを「ブースターケーブル」という専用のコードで接続し、電力を分け与えてもらいます。
ブースターケーブルは1,000〜2,000円ほどの安いケーブルでも構いませんが、必ず車の許容電流値のものを使用するようにしてください。
ジャンピングスタートを行う前には、安全のためケーブルに問題がないかをチェックするようにしましょう。本体が壊れていないか・ケーブルが断線していないか・クリップの部分がガタついていないかなどを確認してください。
ケーブルに問題がない場合は、それぞれの車に接続していきます。まずは電気を与えてくれる車をバッテリーの上がった車に近づけ、ボンネットを開きます。
そしてエンジンを停止させ、ブースターケーブルを接続してください。
ブースターケーブルの接続する順番は決められています。必ず以下の順番で繋げるようにしてください。
- バッテリー上がりを起こした車のプラス
- 電気をくれる車のプラス
- 電気をくれる車のマイナス
- バッテリー上がりを起こした車のマイナス
無事にケーブルがつなげたら、電気をくれる車のエンジンをかけてください。AT車の場合はパーキング、MT車の場合はニュートラルにした状態で、サイドブレーキをかけます。
そして、アクセルを踏んで少し高めに回転をキープします。
続いて、バッテリー上がりを起こした車のスターターを回し、エンジンをかけてください。エンジンが無事に動き出したら、以下の順番でケーブルを外します。
- バッテリー上がりを起こした車のマイナス
- 電気をくれる車のマイナス
- 電気をくれる車のプラス
- バッテリー上がりを起こした車のプラス
上記ができたら、ジャンピングスタートは完了です。現在の状態で車は走行できるようになっています。
ただし、バッテリーにダメージを負っていたり、寿命がきていたりする場合は、エンジンを停止すると動かなくなってしまう可能性もあります。
さらに発電機の調子が悪い場合、走っている途中に止まってしまう危険もあるでしょう。
ジャンピングスタートを行ってバッテリーが回復しても、決して安心はできません。
その後のリスクに備えるためにも、専門店やディーラーにて早めに点検を行ってもらうようにしてください。
ジャンプスターター
ジャンプスターターとは、車のバッテリーが上がった際に一時的に電力を分け与え、エンジンを動かすことができるアイテムのことです。携帯充電器のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
ブースターケーブルを用いたジャンピングスタートは、周りにバッテリーに問題のない車がいなければ成立しません。
人気の少ない道路や山奥などでバッテリー切れを起こした場合には使用しにくいという点がネックです。
対してジャンプスターターであれば、他に車がいなくてもバッテリーを復活させることができます。
ジャンプスターターは、以下のような場所で手に入れることができます。
- カー用品店
- 家電量販店
- ホームセンター
- 通販
ジャンプスターターは数千円〜10,000円ほどで購入できるため、そこまで大きなコストもかかりません。
突然バッテリーが上がった際に備えて、ジャンプスターターを車の中に車の中に置いておくと、いざというとき落ち着いて対処ができます。
プロに直してもらう
自分でバッテリー上がりの対処をするのが難しい場合、プロに直してもらうのが最も安心できます。
プロに頼む例としては、保険会社のロードサービスやJAFに連絡する、というものが挙げられます。
現在地を電話やメールで伝えると、30分から1時間ほどで来てくれます。
保険会社によっては、無料で対応してくれるケースもあります。有料の場合、費用は10,000円ほどが相場となります。
バッテリー上がりが原因でロードサービスを利用した人からは、「スムーズな対応をしてもらえて満足」「素早く対処してくれた」といったポジティブな声もよく聞かれます。
万が一の際すぐに連絡できるよう、ロードサービスの連絡先はスマホに登録しておくことをおすすめします。
加えてスマホの充電が切れた時のために、アナログのメモで連絡先を書いて車内に置いておくと、さらに安心感が高まるでしょう。
バッテリーが上がったときにやってはいけない3つのこと
バッテリーが上がった際に誤った対処を行ってしまうと、怪我や事故の原因になったり、さらに車が壊れてしまったりすることにも繋がりかねません。
バッテリーが上がった時にやってはいけないことは、主に以下の3つです。
- 長時間の放置
- 無理に直そうとする
- 充電直後に電装品を使う
それぞれについて、順に解説していきます。
①長時間の放置
バッテリーが上がった車を長い時間放置すると、自然放電によって電圧が下がった状態からますます電圧が下がっていきます。
すると、時間が経つにつれてバッテリーが著しく劣化していきます。
バッテリーが劣化すると、溜めておける最大の電池量が減少します。その上、劣化したバッテリーはさらにバッテリー上がりを起こしやすくなっています。
大きく劣化してしまったバッテリーは早急に交換が必要となるため、長時間放置しないようにしましょう。
②無理に直そうとする
バッテリーが上がった際、咄嗟に自分で無理に直そうとしてしまう方も少なくないでしょう。
しかし正しい対処法がわからない方は、無理に直そうとしないことをおすすめします。
バッテリー上がりを直そうとして電気が通っている部分に触った結果、感電して大きな怪我を負うリスクもあります。
さらに、ジャンピングスタートを行った際に配線のつなぎ場所ややり方を誤ると、別のパーツが壊れてさらに悪い結果につながる可能性もあります。
バッテリー上がりの原因がわからない場合や正しい対処法に自信がない方は、プロの力を頼ることをおすすめします。
③充電直後に電装品を使う
エアコンやカーステレオ、ライトなどの電装品は、できる限り使わないようにしましょう。
電装品を使うことで、せっかく溜めた電気が消費されていってしまうためです。
ジャンピングスタートやジャンプスターターといった方法は、あくまでも応急処置です。
「完全に直った」と過信し、電装品をフルで使ってしまうと、再びバッテリーが上がる危険もあります。
少しでも長く安全に車を走らせるためにも、電装品で多くの電気を使わないよう注意してください。
バッテリー上がりが起こる理由は電装品関連の使い方にある
バッテリーが上がってしまった場合、原因の多くは電装品関連の使い方にあります。
具体的には、以下のような使い方です。
- 車が止まっている間ライトを点けっぱなしにしていた
- 手車が止まっている状態でエアコンやカーステレオなどを長く使用した
- 半ドアになっていたことで室内灯がずっと点いた状態になっていた
上記のような状態が続くと、バッテリーが上がる原因となります。
よく行ってしまうという方は、バッテリー上がりを防ぐために日頃から注意するようにしましょう。
もうバッテリー上がりを起こさないための4ステップ
バッテリー上がりの対処にはたくさんの時間や費用を要すケースもあるため、できる限り起こさないようにしたいものです。
二度とバッテリー上がりを起こさないようにするためには、以下4つを習慣づけることが大切です。
- こまめに走行・アイドリングしてバッテリーを充電する
- バッテリーの寿命を確認しきちんと交換する
- バッテリー上がりの前兆に気づく
- 復旧したからといって直ったとは限らないことを理解する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1こまめに走行・アイドリングしてバッテリーを充電する
車は、何もしなくてもバッテリーから自然に電気が逃げていってしまうようにできています。
したがって、車をあまり走らせないとバッテリーが上がりやすくなってしまいます。
車は、エンジンを動かすことでバッテリーを充電しています。したがって、定期的に走行やアイドリングをすることでしっかりと充電され、バッテリー上がりを予防できる可能性が高まります。
車を走らせるのが難しい場合は、専用の充電器で充電することでも予防できます。
2バッテリーの寿命を確認しきちんと交換する
車のバッテリーも、他の電気製品と同様に寿命があります。
寿命が来たバッテリーは蓄電の効果が弱まるため、交換しないとバッテリー上がりを引き起こしやすくなります。
バッテリーの寿命をしっかりと確認し、寿命が近くなったものに関してはすぐに交換するようにしましょう。
ちなみにバッテリーの寿命は、2〜4年ほどだとされています。ただし使用方法や使用環境によっては、寿命が早まったり遅まったりするケースもあります。
バッテリーが上がってから交換しようとすると、JAFを呼んだりジャンピングスタートをしたりしなければならず、お金や手間がかかります。
お金や手間のコストを防ぐためにも、現在使用しているバッテリーの寿命を定期的にチェックし、早めに交換することをおすすめします。
3バッテリー上がりの前兆に気づく
バッテリー上がりの前兆について知っておくことで、バッテリーが上がる前に気づける可能性が高まります。
前兆の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- エンジンがかからない、かかりにくい
- ライトやランプが点かない、点くが暗い
- 電装品が動かない
- アイドリングストップが作動しない
- パワーウィンドウの動きが鈍い
以上のような不具合が見られた場合は、整備工場などに行き、バッテリーの点検を行ってもらうようにしましょう。
4復旧したからといって直ったとは限らないことを理解する
バッテリーの応急処置を行うことで、車は一時的に走行できるようになります。
ただし、走れるようになったからといって完全に直ったとは限りません。
バッテリーの寿命が来ていて交換が必要だったりと、その場しのぎの対策ではどうにもならないことが原因になっているケースもあるためです。
したがって、ジャンピングスタートなどによって一時的に走行できるようにしても、再び不具合を引き起こすリスクがあります。
大きな事故を起こすことがないよう、一度上がってしまったバッテリーに関しては、整備工場などでプロにチェックしてもらうことをおすすめします。
まとめ
最後に内容をおさらいします。
バッテリーが上がった場合の対処法としては、
- ジャンピングスタートを行う
- ジャンプスターターを利用する
- ロードサービスなどを呼ぶ
といったものが挙げられます。
事前にバッテリー上がりを防ぐためにも、こまめに走行してバッテリーを充電したり、バッテリーの寿命を確認したりと、予防策を行っておくことを欠かさないようにしましょう。