「車のエアコンの効きが悪く冷えない」
「スイッチを押しても風が出ない」
など、夏場に増えてくるカーエアコンのトラブル。
車のエアコンが壊れると、状態によっては多額の修理費用が掛かることがあります。
業者に修理を持ちかけたら、20万、30万円もの修理費用を提示されてしまい、修理するべきか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、車のエアコンの修理費用を安く抑える方法はいくつかあります。
そこでこの記事では、
- リレー交換を用いた格安修理
- 修理費用が20万30万と高くなる4つのケース
- 高額な車のエアコンの修理費用を安くする3つの方法
など、車のエアコン修理にまつわる知識や裏ワザを解説します。
少しでもカーエアコンの修理費用を安くしたい方は、ぜひご参照ください。
車のエアコン修理はリレー交換で格安にできることも
車のエアコンが上手く作動しない場合、コンプレッサーなどの主要パーツの故障も疑われます。ですが、その前に疑っておきたいのが「リレー」の故障です。
エアコンガスの漏れなど、明確な症状がとくに無いのにも関わらずエアコンが動作しない場合、リレーが故障している可能性が高くなります。
「リレー」とは、外部から電気信号を受け取り、電気回路のONOFFや切り替えを行う、電装系の部品です。
エアコンに関わるリレーは、マグネットクラッチリレーと呼ばれ、エアコンのコンプレッサーを制御するために特化したリレーです。
エアコンをONにすると、マグネットクラッチリレーが電気を送り、それでエアコンのコンプレッサーが動き始めます。
リレーが故障や劣化で上手く作動していないと、電気信号そのものがコンプレッサーなどに伝わっていかないため、エアコン各部が動作しません。
リレーの本体の部品代は新品で2,000〜3,000円程度であり、さほど高くありません。
「当初の見積もりでは修理費用が20万、30万円掛かるといわれていたけれど、実はリレーの故障が原因だと判明し数千円の修理で済んだ」というケースもあります。
リレーは頻繁に壊れやすいパーツでありますが、盲点となりやすい部分でもあり、プロの業者でも見落とすことがあります。
修理費用を20万、30万円と高額に見積もられている場合、別の業者にもセカンドオピニオンを求めて、リレー周りに問題ないか確認して貰うと確実です。
修理費用が20万・30万と高くなる4つのケース
車のエアコンは、エンジンルームや室内に配管が入り組んで通っており、部品を着脱するにも工数がかかるため、修理費用が高くなりがちです。
特に下記のようなケースでは、修理費用が高額になりやすく、20万、30万円以上の修理費用が請求されることもあります。
- コンプレッサーの交換が必要な場合
- エヴァポレーターの交換が必要な場合
- ラジエーターファンの交換が必要な場合
- 配管の穴が空いておりガスが漏れている場合
以降では、それぞれのケースについて、詳細を解説します。
コンプレッサーの交換が必要な場合
「コンプレッサー」は、例えるなら車のエアコンの「心臓」ともいえる重要パーツです。
コンプレッサーはエアコンガスを圧縮し、低温低圧のガス状冷媒から高温高圧のガス状冷媒(半液体)へと変化させる役割を担っています。
コンプレッサーが故障しエアコンガスの圧縮ができないと、後述するエヴァポレーターなどへ圧縮したガスを送り込めず正常に機能させることができなくなるため、結果的に冷気を作り出せなくなります。
コンプレッサーは故障頻度が高いパーツであり、かつ修理費用も高額になりやすいパーツです。
車によっては、コンプレッサー本体の部品代だけで10万円以上することもあり、関連する箇所の修理などを含めると20万、30万円を越えるケースもあります。
故障の見分け方としては、エアコンのスイッチをONにしても「カチッ」という作動音がしなかったり、「ジー」「ウィーン」という異音がする場合は、コンプレッサーの劣化や故障が疑われます。
エヴァポレーターの交換が必要な場合
「エヴァポレーター」は、熱交換器とも呼ばれるパーツです。
コンプレッサーによって圧縮されたエアコンガスは、エヴァポレーターの近くで気化され、その際に周囲の熱を奪いエヴァポレーター本体を冷やします。
そして車室内の暖かい空気をエヴァポレーターの中に流し込み、エヴァポレーターを通過する際に冷やされた空気は、最終的に冷気としてエアコンの吹き出し口から放出されます。
これが車のエアコンの大まかな仕組みです。
エヴァポレーターは、通常、ダッシュボードの裏側などアクセスが難しい場所に設置されているため、交換作業は複雑であり、経験のある整備士でないと苦戦を強いられます。
そのため、修理交換に掛かる費用を高額に設定している業者が多く、作業にも時間が掛かることがあります。
ラジエーターファンの交換が必要な場合
「ラジエーターファン」とは、ラジエーターの裏側に設置された冷却ファンのことであり、エンジンやエアコンコンデンサーの冷却に必要な装置です。
走行中であればラジエーターに当たる風を利用し、エンジンやエアコンコンデンサーの冷却ができますが、信号待ちや渋滞中ではラジエーターに走行風が入らず、冷却能力が低下します。そうした場合にラジエーターファンが動作し、冷却の補助を行っています。
そのため、ラジエーターファンが故障していると、特に信号待ちなどでエアコンが効きにくくなる症状が出ることが多いです。
ラジエーターファンは滅多に壊れるものではありませんが、5年10年と使用していると不具合が生じることもあります。
ラジエーターファンを修理する場合、部分的にではなく、ラジエーターファンそのものの交換となることが多く(アッセンブリ交換)、交換の手間がかかる箇所でもあるため、修理費用は部品代も含め10万円を越えることもあります。
配管の穴が空いておりガスが漏れている場合
エンジンルームや室内には、エアコンガスを循環させるための配管が張り巡らされています。
エアコンの配管は湿度によって腐食したり、錆が溜まって詰まってしまうことがあり、さらには配管に穴が空き、エアコンガスが漏れ出してしまうこともあります。
腐食、詰まり、漏れなどが起こると、エアコンガスが配管内を上手く循環できなくなり、冷却能力が落ちてしまいます。
配管の修理費用は状態によって上下しますが、エアコンの配管に穴が空いてしまった場合や、複数の部品や配管全体の交換が必要となった場合には、修理費用が10万円以上になることがあります。
また、エアコンガスが漏れている場合は、ガスの補充も行う必要があります。
エアコンガスの値段は1本あたり3,000〜6,000円程度となり、ガスが完全に抜けている場合であれば4〜5本程度のエアコンガスが必要になります。
エアコンガスの補充に1万2,000円〜3万円の費用がかかるほか、周辺の修理と合わせて高額な費用がかかってしまうこともあります。
車のエアコンの修理費用を安くする3つの方法
上記のように、車のエアコンの修理費用が高額になった場合であっても、安くする方法はあります。
具体的に、以下3つの方法が挙げられます。
- リビルドパーツを使用する
- 工賃が安い整備工場に依頼する
- メーカー保証を使う
1つずつ解説していきます。
リビルドパーツを使用する
「リビルトパーツ」とは、新品よりも価格が安く、かつ新品に近い性能を持ったパーツを指します。
いわゆる「オーバーホール」をしたパーツであり、中古品や廃車などから取り出したパーツを、点検、洗浄、修復し、新品に近い状態に回復させています。
※オーバーホールとは、車のパーツを分解し、清掃や交換を行って新品同様のクオリティにする作業
中古品との違いは、中古品は通常使い古した状態のままですが、リビルトパーツは修復が行われ、一定水準以上の品質を満たしている点で異なります。
リビルトパーツは新品に近い状態でありながら、価格は新品パーツの6割程度の価格で購入できるため、コストパフォーマンスが良いです。
たとえば新品のコンプレッサーが10万円する車であれば、リビルト品のコンプレッサーは6万円程度で手配できます。
リビルトパーツによる修理は、街の民間工場はもちろん、正規ディーラーであっても対応してくれることが多いです。
「費用を抑えたいため、リビルトパーツで修理してほしい」などと事前に伝えておくとスムーズに事が進みます。
工賃が安い整備工場に依頼する
例えばエアコンのコンプレッサーを修理する場合、コンプレッサー本体の部品代はどこの業者に依頼した場合でもさほど変わりませんが、交換修理に掛かる「工賃」は業者によって異なります。
より具体的にいえば、自動車整備における工賃は「工賃(技術料)=自動車標準作業点数×レバレート(1時間当たりの基本工賃)」の計算式で算出されます。
「自動車標準作業点数」は、日本自動車整備振興会連合会(日整連)により、車種作業毎に定められており、どの業者に依頼した場合でも一定です。
一方「レバレート」は、業者毎に自由に定めてよいルールとなっており、人件費や設備にコストが掛かっている業者や、サービスに自信のある業者などは、レバレートを高く設定していることが多いです。
一般的に、レバレートの高さについて以下のような傾向が見られます。
依頼する業者 | レバーレート |
---|---|
外車ディーラー 高級車ディーラー |
高(1~1万5,000円) |
ディーラー 都心部の整備工場 |
中(9,000~1万2,000円) |
地方の整備工場 小規模な整備工場 |
低(6,000~8,000円) |
したがって、やや都心から離れた地方の整備工場。郊外の整備工場など、レバレートの低い工場で修理をしてもらうことにより、工賃面から修理費用を節約できることがあります。
特にコンプレッサーの交換のような手間の掛かる作業ほど、工賃も高額となりやすいため、レバレートの低い整備工場に依頼することでの節約効果は大きくなります。
メーカー保証を使う
新車で購入した車には、一定期間「メーカー保証」が付きます。保証期間内であれば、故障が生じても無料で修理が受けられます。
具体的には、メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」の2タイプがあり、エアコン周りの故障は一般保証に該当します。
一般保証での保証期間は「新車登録の日から3年(もしくは走行距離6万kmまで)」となりますので、その間であれば、ディーラーなどで無料で修理を行ってもらえます。
保証タイプ | 保証の対象 | 保証期間 |
---|---|---|
一般保証 | 一般的な装備やパーツ (カーエアコンをはじめ、ナビ、電動ドアミラー、スマートキー、シートヒーター など) |
新車登録の日から3年
(もしくは走行距離6万kmまで) |
特別保証 | 車の走行において重要なパーツ (エンジン、トランスミッション、電子制御 など) |
新車登録の日から5年
(もしくは走行距離10万kmまで) |
DIYで自分でエアコン修理するのは難しい
エアコンの修理費用を抑えるため、DIYで自分で修理しようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エアコンの修理に関して、たとえば「エアコンフィルター交換」のような簡単な作業であれば、さほど経験がなくともDIYで自分で行うことが可能です。
しかし今回紹介したようなコンプレッサーの交換、エヴァポレーターの交換など修理費用が高額になる作業は、その分、高度な技術や設備が必要になりますので、慣れていない方がDIYで修理するのは現実的に難しい部分が多いです。
特にエアコンガスの取り扱いについては、DIYで対応できないケースが多いです。
エアコンガスの補充を行う場合、もしくはコンプレッサー交換などの作業の一環で配管内に空気が混入する場合には、一度配管内の空気を抜いて真空にする「真空引き」という作業が発生します。
この真空引きを行うには、専用の設備(真空ポンプなど)が必要になりますので、この時点で素人が行うのは難しくなります。
また、正常に動作しているカーエアコンのガスホースを故意に外すのは法律に触れる可能性もあり、加えてエアコンガスが吹き出し周囲に危険を及ぼす恐れもあります。
こうした理由から、エアコンの修理を安易にDIYで行うのは望ましくなく、専門の業者に依頼するのが賢明です。
修理費用がかさむなら買い替えを検討する
このようにエアコンが故障すると、場合によっては20万、30万円と高額な修理費用が発生することがあります。
記事内で解説したように、リビルドパーツを使っての修理や、レバレートの安い整備工場に依頼するなどの方法である程度費用を抑えることもできます。しかしそれでもコンプレッサーの交換等になればどうしても出費はかさみます。
また、エアコンの修理に20万円も30万円も掛かる車両というのは、他の部分にもガタがきている場合があり、今後もまだまだ出費が続く可能性もあります。
そのため、そろそろ買い替えが近い車にお乗りの方は、あえてエアコンの修理はせず、故障車でも買い取ってくれる「廃車買取業者」に売却し、お金に替えてしまうのも一つの方法です。
私たち廃車買取の『タウ』でも、今回のようにエアコンが故障した車はもちろんのこと、不動車や事故車、水没車などさまざまな車両の買取を行っています。
故障車や事故車を再利用する体制を持っているため、状態の酷い車両であっても買取させて頂いております。レッカー代や廃車手続き費用なども一切受け取っていませんので、お客様側に余計な費用が掛かることはありません。
ご相談やお見積りだけでも大歓迎ですので、故障車の売却をお考えであればぜひお気軽にご連絡ください。